世界
ウクライナは領土問題で「現実的な議論」を、ゼレンスキー大統領が初めて言及
2025-01-08
著者: 蓮
[ロイター] - フランスのマクロン大統領は7日、ウクライナがロシアとの交渉に向けた取り組みの一環として、領土問題に関して現実的な立場を取る必要があると述べた。これは、ウクライナが直面する長引く戦争の中で、平和への道を模索する姿勢を示すものとされる。
今年の戦闘を概説するフランスメディアとの年次会合で語った内容は、ロシアに占有されている全領土の回復を目指しているウクライナにとって挑戦的な提案といえる。これまでのゼレンスキー大統領の発言とは異なり、今回の発言は新たな外交戦略を示唆している。
2021年にクリミアを取り戻したウクライナは、現在、東部ドンバス地域の大半を含むウクライナ領土の60%を占めるロシア側の侵攻に直面している。
マクロン氏は「ウクライナは領土問題について現実的な議論を行う必要があり、それが可能なのは国民だけである。欧州は自らの責任に基づく安全保障の構築を期待している」と述べ、ウクライナ人自身に対話を行う重要性を強調した。
さらに、米国の支持も受けながら、マクロン氏はウクライナが周囲の国々と連携を図りつつ、持続可能な平和を築くために、緊急に必要な外交手段を模索することを提言した。この新しい方向性が実現すれば、長期にわたる戦争状態を打開し、ウクライナの未来に新たな希望をもたらす可能性があると期待されている。
ただし、ロシアの影響力が依然として強い中で、ウクライナとロシアの直接的な交渉が進展するかどうかは不透明である。同時に、各国から寄せられる資金援助が現地の軍事力を強化し、領土回復の促進につながることが期待される。今後の展開に注目が集まる。