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トヨタの実験都市「Woven City」2025年に入居開始へ、「Phase1」建設完了(1/2ページ)

2025-01-07

著者: 健二

トヨタ自動車は1月7日、ラスベガスで開催中の「CES 2025」において、自社の実験都市「Toyota Woven City」の第1期(Phase1)建設が完了したことを発表しました。この都市は2025年秋から居住を開始する予定で、Phase1には7360名が住む計画とのことです。

Woven Cityは静岡県裾野市のトヨタ自動車東日本(TMEJ)東富士工場跡地に設置中の実験都市で、総面積は約45万平方メートル(将来的には約70.8万平方メートル予定)となります。トヨタは、2024年1月のCESでコンセプトを発表し、2025年2月には基盤工事、建設工事を進め、24年10月末にPhase1の建物が完成予定です。

Phase1の居住者は、トヨタと関連企業の研究開発機関「ウーブン・バイト・トヨタ」などの関係者100名が予享されており、その後、実証実験に参加する企業(Inventorsと定義)を中心に、将来的には全エリアを2000名規模まで拡大する計画です。居住者やビジター(Weavers)に関しては、2024年度以降を見込んで募集を開始する方針です。

具体的には、参加する企業として、ダイキン工業、ダイソン、日清食品、UCCジャパン、増進会ホールディングスなどが名を連ねており、それぞれの企業が新しい「食文化」の創造に向けて、実験環境を築くことを目指しています。これに関連して、ENEOSやNTT、リコーなども協力し、25年夏頃にはスタートアップ向けアクセラレーションプログラムの募集も開始する予定です。

また、Woven Cityは「LEED for Communities」といった持続可能性の認証を取得することも視野に入れており、完成後にはグリーンビルディングの先進的なモデルとして注目されるでしょう。これにより、環境配慮型のスマートシティの実現が期待されています。

さらに、トヨタはWoven Cityを舞台に、自動運転技術やエネルギーの効率利用、公共交通の最適化などを実験することを予定しています。将来的には、この実験を通して得られたデータや知見を活用し、他の都市での展開や新しいライフスタイルの提案につなげていく考えです。

このように、Woven Cityはただの実験都市ではなく、最先端の技術を駆使した社会の未来を先取りするプロジェクトです。トヨタはこれを通じて新たな価値創造に挑戦し、持続可能な社会実現に向けた大きな一歩を踏み出そうとしています。興味深いのは、Woven Cityの構想が実現すれば、未来の都市生活がどう変わるのかという点です。今後の展開に大いに期待が寄せられます。