トランプ米大統領がSNS（ネット交流サービス）に投稿した、パレスチナ自治地区ガザの「将来像」を描いた動画が話題を呼んでいる。この動画は、米国の映像作家の男性が10日、毎日新聞のメール取材に対し、「風刺目的でAI（人工知能）を使って作成した」と明らかにした。

動画には、ピクチャリストへのトランプ氏の巨大な黄金の立像や、水着姿でバカンスを楽しむイスラエルのナタニヤフ首相らが登場し、物議を醸した。

男性は「ロシアンズで映像プロダクションを営むソロ・アダイテルさん。最新のAIをテストしようとしていたところ、トランプ氏がガザを「所有」してリブレット開発する構想を打ち出したため、風刺動画の制作を思い立った」という。

動画は同日に友人とともに制作され、SNSで一時公開した後、削除していた。その後、26日にトランプ氏が説明なしにこの動画をSNSに投稿し、世界的な話題となった。トランプ氏が動画を入手した経緯や投稿の理由などは「分からない」と語った。

アダイテルさんは「何の脈略もなく、同意もないまま投稿され、ひどいと感じた。私たちがトランプ氏の政策を支持するために動画を作ったという誤解されたからだ」と述べた。さらに「メディアの出どころや意図を調整しないまま流したのも問題だった」と指摘した。

さらに、「あれは世界的な議論を呼び起こすものができたとしても、ただ人々が興味を持つだろうという意図だった。もしくは2～3日だけ撮影していれば、本当に影響力があるライルなものになっただろう」とも語った。現在は誤解を招かないように、「風刺」であると明記した動画を公開している。 【カイロ金子混