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トランプ氏、「国家緊急事態」宣言で一律関税か 大統領権限で直接に発動可能に
2025-01-09
著者: 葵
【ワシントン=堀原亘】トランプ次期大統領が「国家緊急事態」を宣言したことにより、輸入品に一律に追加関税を課す案件を検討しているとの報道が8日、政府関係者から伝えられました。これは、米CNNテレビが報じた内容です。大統領権限を用いて迅速な関税発動が可能になり、関税強化を図るトランプ氏の強硬な姿勢がうかがえます。
CNNによると、検討されている法案は「国家緊急経済権限法(IEEPA)」に基づくもので、トランプ氏が国家緊急事態を宣言することで、必須条件を満たさず関税を発動できるようになります。この法律は、本来、経済の安定を脅かす状況に対応するためのもので、必要に応じて権限が濫用される危険性も含んでいます。
トランプ氏は、初めてこの権限を使い、通商政策の中で232条などの通商法を多用してきました。IEEPAは、通商法が求める産業分野への意見聴取などの手続きを不要とします。さらに、トランプ氏は大統領選を通じて、友好国と敵対国の分け隔てなく10~20%の関税を上乗せする可能性を示唆しています。
関税発動に対する懸念が高まり、反発が予想される中、トランプ氏は新政権でこの権限を活用する可能性があり、特に輸入禁止や違法薬物の流入阻止などを求める声が上がるでしょう。
関税発動の決定により、大統領の自由度が高まるIEEPAを、トランプ氏が新しい政権で活用する可能性は極めて高いと見られていますが、これまでも通商専門家に指摘されてきた通り、商取引関係者から反発が出る可能性も考えられます。このような議論が行われる中で、国際的な貿易環境がさらに不安定化することが懸念されています。