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トランプ氏が夢見る株高「黄金時代」 市場の混乱を警戒 解剖トランプ脳 - 日本経済新聞

2025-01-22

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2024年12月、ニューヨーク証券取引所に就任した前トランプ大統領の姿があった。「常々言っていたことだけど、私にとって株式市場はすべてだ」

経営者が自社の株価を気にするように、トランプ氏は米株式相場の上昇に一喜一憂している。米大統領選の「通信簿」とも言えるからだ。テレビ局を務めた時は視聴率を日々チェックし続け、トランプ氏の人気が持続しているかを把握していたことが記録からも明らかになっている。自分の評価に常に神経を使い、どう成長させるか試行錯誤していたのだ。

しかし、最近の市場のボラティリティには注意が必要だ。トランプ氏の発言が市場に影響を与えることから、彼の言葉が株価変動の原因となることも少なくない。例えば、他の共和党候補者たちとのディベートでの言及が、市場に急落を引き起こした事例も存在する。

経済の専門家は、「トランプ氏が株式市場を『黄金時代』に導くことができるか疑問だ。彼の発言が実際の経済状況と乖離する場合もある」と語る。市場安定に寄与するためには、トランプ氏自身も冷静になる必要があり、自身の政治的な目標よりも経済の健全な成長を重視する必要がある。

投資家たちは、トランプ氏の言動を注視しつつ、今後の市場動向に影響を及ぼす可能性のある他の要因にも目を向けるべきだ。この先の2024年米大統領選挙に向けて、トランプ氏の発言がどのような波紋を呼ぶか、引き続き注意が必要である。

現在の市場状況において、トランプ氏の発言は特に株式市場の動揺を引き起こしやすい。彼の人気復活が投資家の心理に好影響を与える一方で、最近の金融政策やインフレの進行にも留意しなければならない。トランプ氏のリーダーシップが、果たして経済を安定させるのか、それともさらなる混乱を招くのか、2024年の選挙結果が注目される。