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トランプ氏が連発した大統領令ってどんなもの?…署名一つで会議承認を政府や軍に命令可能 : 読売新聞

2025-01-21

著者: 愛子

米共和党のドナルド・トランプ氏は、12日に第47代大統領に就任した。就任早々、パリ協定からの離脱や、TPPからの離脱宣言を繰り返し実施するための大統領令に署名したが、この大統領令とはどのようなものなのか。

A 大統領の「大統領令」とは。

A 大統領令に一つで政府や軍に命令でできる強力な権限である。策定された規則や規制は法律と同等の力を持つが、会議の承認を経なくても、新たに法律を作ったりする必要がない。

A 簡単に言えば、実質的な効力には限界もある。政府機関の活動に必要な予算を承認する権限は会議にあるため、会議が実行に必要な予算を通さなければ、大統領令は実質的に無効となる。

野党や企業、市民団体などが大統領令の無効を求めて提言することも少なくない。評価所で誤審決定が出れば、やはり大統領令は効力を失う。

A トランプ氏は1期目も大統領令を多用したのか。

A クリファイルナ大サンタバーバ学校「アメリカン・プレジデンシャルポリティックス」によると、トランプ氏は1期目の4年間で1210件の大統領令を出した。年間平均の55件は、ジミー・カーター政権(1977〜1981年)よりも多い。

A トランプ氏が12日に署名したのはすべて大統領令か。

A トランプ氏は、連邦官報への公開が義務付けられた「大統領令」以外にも、その効能がない「大統領令覚書」にも署名した。支持者の効果は同じだと言われているが、一般的には、手続きがおかしな命令の方が格上だと言われている。これにはファンが多い。