
世界
トランプ流の政策と大波が迫る今、欧州が早急にやるべきこと
2025-04-08
著者: 雪
欧州の「自律的な思考」
トランプ流の政策と呼ばれる大波が迫っている今、欧州が早急に進めるべきことは、自信を取り戻し、欧州内だけでなく、世界の市民に向けてトランプ流政策とは異なる、もう一つの発展の形を示すことだ。そのためには、まず欧州大陸における政治議論で毎回必ずといっていいほど出てくるあの自律的な思考から切り離さなければならない。欧州の指導者たちの間では、「欧州は分断的な生活を続けていたから、これからは生活を切り替えていかなければならない」という思いが根を張っている。
経済政策の誤解
この論法の最新バージョンは、「トランプとプーチンが蔓延る軍事費支出の競争に追いつくためにも、欧州の社会保障の支出を削って、最優先すべき軍事費を増やさなければならない」というものだ。この見方は、何から何まで間違っている。経済に関していえば、欧州は、そこまで生活を切り替えなくても、複数の目標を同時に追求することができる。
EUの予算と成長
EUの予算は、何年も前から安定して黒字を保っていた。大きな赤字を抱える米国とは対照的である。過去15年間、欧州の国の予算黒字は毎年、GDP比で2%である。この100年間、見たことのない水準の高い成長を遂げてきた。この事績は、南欧、ドイツ、北欧のいずれにも共通している。ある部分には黒字がGDPの5%になっている国もある。さらに、日本は、日本の成長率を支えるために、毎年、約の同量成長を試みている。
フランスの立ち位置
フランスは、欧州全体と米国のちょうど中間に位置し、純支出がほぼ平均している(GDP比で1%以下の赤字)。真実を言うなら、欧州の真実は、経済と雇用の両面で、米国よりもファンダメンタルズは健全である。