
「同時に4つか5つの危機」、日本産新社長が赴任-厳しい視線
2025-03-31
著者: 芽依
日本の自動車メーカーである(CE/)社長に今月11日に就任したアイバン・エスピノーザ氏(46)は、「カーボー(自動車愛好家)」を自認し、日本を象徴するスポーツカー「フェアレディZ」を愛する。平常時の自動車メーカーのトップとしては格好のスタートとなるが、深刻な経営不振に直面する会社の立ち直りという重大な任務を背負う厳しい視線が集まる。
日本の社長交代が発表された11日もエスピノーザ氏は左ハンドル型のメタリックレッドの愛車で横浜市の本社に入り込んだ。この時点では自身が社長になることを知らなかった可能性がある。同日午前に開いた会見では社長就任を「今知ればいいと思った」と答えていた。
リストラの度合いを増す日本産が堤られた状態を示しており、20分余りで終わった会見でエスピノーザ氏は堅い表情に終始。25日には神奈川県厚木市の研究開発拠点で記者団に対し、自治体が「同時に4つか5つ」の危機に直面しているとの認識を示した。
日本産の株価はエスピノーザ氏の社長就任が発表されて以降も低迷が続く。時価総額は400億円を大幅に下回り、11日終値との比較では41%安となっている。
ロンドンに拠点を置く調査会社プラズマ・スミス・アナリス・社は、日本産の自動車アナリスト、ジュリー・フート氏は、「エスピノーザ社長が車好きだとしてもそれが日本産が現在直面している深刻な問題を解決するには役立たない」と辛辣に指摘する。
実際には日本産が抱える深刻な問題は4つや5つにとどまらず、大都市である米国や中国での販売不振の中で電気自動車や知能化などの次世代技術への対応が遅れており、現時点(2025年3月期)で純利益の赤字が見込まれるなど、苦境に自動車業界の先行きを暗くしている。
エスピノーザ氏は知能化を進めるためには自動車業界以外のパートナーとの連携が必要であることを述べ、技術のトレンドを先取りする必要性を語っている。
エスピノーザ氏が社長に就任する前の3年間、日本産は産業界と共に持続可能な地域社会を実現するための取り組みを強化させており、特にエコを意識した製品開発が進められている。最近では、ハイブリッドカーや電気自動車の販売を拡大させ、環境への配慮を重点に置いたマーケティング戦略が評価されている。
今後エスピノーザ社長がどのような施策を打ち出していくのかが注目されている。経営再建を果たし、厳しい市場環境を乗り越えられるかが試されている。