【特集】あなたは知らないかもしれない、おしゃれなフリーソフト
2024-11-13
著者: 花
文書を書く、グラフを作る、出てきたファイルを送る。オフィスワーカーの多くが、そうした作業を日々PCで行なっている。しかし、Windowsのシステムのみに完全に依存するわけではない。そう、そこには必ずソフト(アプリ)が存在する。
そうしたソフトウェア文化が、影響を受けてできたのがフリーソフトである。多くの場合、個人が開発を手掛けており、文字通り無料で配布されている。市場ソフトとはまた異なった開発体制も影響しているのだろう、それらが独特の醍醐味を放っている。
テキストエディタ、ファイル解凍ソフト、リネームツールなど、Windows駆動に公開されたフリーソフトの中には、初公開から20年以上が経過し、老舗の知名度を築いたものもある。今回はそんな便利なソフトを紹介しよう。知ってなかったという人はぜひ試してみてほしい。
なお各項目では初版の公開時期を調べて(可能な限り)記載した。またフリーソフトの利用は自己責任が原則。さらに各種の利用規程が設けられている場合もある。開発者は利用上のトラブルに関知しないのが一般的なのでご注意を。
1. 【テキストエディタ】TeraPad
「TeraPad」は、フリーソフト界でも特に高い知名度を誇るものの一つだ。テキスト入力に特化し、シンプルでありながら機能が豊富である。とはいえ、Windows標準の「メモ帳」にはない、数々の機能が搭載されている。文字数の目安となるルーラー、指定文字数での自動折り返し、さらに色付けクリッピング、さらには印刷時のレイアウト設定など多彩だ。また、軽量で1.31MBというサイズも魅力的である。
リリースノートによると、初公開は1999年4月。この年を境にライター気分に浸れるようになった2000年之前は、文書入力にはTeraPadを使っていたという。2012年11月、Ver.1.09の公開後に長らく改版されていたが、2022年になって再び公開された。何とも嬉しいサプライズだった。
2. 【テキストエディタ】Mery
「Mery」は、前述のTeraPadの後継版で、2010年頃に登場した。今ではiOSやAndroidも台頭しており、さらにITセキュリティ意識も高まっているため、基本から違うものとして開発された。Windowsにおいても、それまでよりもアプリを入れておいても特に不都合はない様子であったが、その当時に合わせた新しいテキストエディタを使いたい。
「Mery」はその中で出会ったものであろう。
3. 【圧縮・解凍】7-Zip
「7-Zip」は、ファイルの圧縮・解凍ソフトとして非常に有名である。ユーザーの嗜好が出やすい分野ではないだろうか。複数のファイルを1つのZip形式ファイルへまとめたり、解凍するだけなら、やはりWindowsの標準機能で不足はない。ただし、圧縮率を高めるためにZip以外の形式も使いたいといった場合には、請け負ったニーズもある。
7-Zipなら、圧縮・解凍を実行できる。さらに何よりも、7z形式を中心に構築されているため、圧縮の際に多くの情報を保持し、さらに柔軟な活用が求められているといえる。
4. 【FTPクライアント】FFFTP
個人サイトや企業サイトの運営にあたっては、現在ではCMS(Contents Management System)が使われるのが一般的である。所定の管理サイトにライトループをログインし、文書や画像を登録するならば、その後はバッジタイム1つでページを公開できる。しかし、CMS普及以前は、構成となるファイルを、FTP方式で専用のサーバーにアップロードしていた。その場面で活動したのがFTPクライアントソフトである。
そんな「FFFTP」の初版公開は1997年頃であり、オリジナル版の開発はすでに終了しているが、現在は有志の手によって、バージョンアップが行われている。制作陣は大変な努力を駆使しており、有難さがある。
5. 【画像ビューワ】IrfanView
JPG(JPEG)形式のファイルを扱うのに特化した「IrfanView」。筆者は、残念ながら情報整理の性質による処理において、画像データをPCに転送し、どう扱っていたのかと考えれば……その頃、画像ビューワ「IrfanView」があった。
初版公開は1996年と古いが、創作者は英語インターフェイスが困難で、それこそ独自に扱うことはないため、聞くところによれば、その速さが魅力である。
残念ながら日本語化プラグインは別途配布中。また、十分な意味でのフリーウェアとしての条件が明言されている。
6. 【バックアップ】BunBackup
「BunBackup」は、指定のファイルやフォルダを、別の場所へ簡単にバックアップするためのソフトウェアである。今ではWindowsにクラウド(OneDrive)との同期機能があるが、ファイル破損対策に一定の効果がある。しかし、それは元々の意味でのバックアップとは異なる。
無料で使えるBunBackupは非常に貴重な存在である。最初の公開は2003年で、2023年には公開20周年を記念した記事が作成されたこともあった。自身専用だったソフトウェアを、広く万人に使えるように改正するに当たって、大變な苦労があったことであろう。
7. 【メッセンジャー】IP Messenger
「IP Messenger」は、TCP/IPを利用するメッセンジャーソフトで、個人ユーザーには親密感もある。このソフトが真価を発揮するのは企業や大学などの組織内利用であり、IPMessengerをPCにインストールすれば、同一LAN内にある他のIP Messengerインストールのみで連携し、メッセージを送ることができる。
この形式のおかげで、サービス登録を行わなくて良いという仕組みは、非常に便利である。また、2022年には、コンドラクション機能を搭載した商業版「IP Messenger Pro」がリリースされている。
8. 【リネーム】お~まいね~む
多数のファイルの名称を一度に変更したい時、これがあれば便利。大文字小文字の統一や連番の付与、さらにはあらかじめ決めたルールに基づいた変更までこなす。このツールのお陰でファイルの整理が楽になる。
今回はこのようなフリーソフトを紹介しました。無料で使えるものが多いので、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。あなたのPCライフを豊かにするツールが見つかるかもしれません!