糖尿病や肥満症の治療薬に依存症抑制効果も、世界最大級の研究で判明
2025-01-21
著者: 蒼太
「オプラグルチド」や「マンジャロ」といった糖尿病治療薬や肥満症治療薬に関する世界最大級の研究で、脳への影響が注目され、依存症や合併失調症などへの有効性が指摘された。
この研究では、糖尿病を患う米軍退役軍人を対象に、GLP-1受容体作動薬の効果を最長5年間追跡調査した。ノボ・ノルディスクの「ウゴリ」とイーライリリーの「ベクパウンド」も含む医薬品群を対象とした研究としては、これまでで最大級である。
20日に発表された医学誌「メディシンズ」に掲載されたこの研究論文は、脳動脈に関連する保護効果を発見。この薬剤が食欲を抑えるだけでなく、アルコール依存症やその他の依存症の抑制に寄与する可能性を示す新たな証拠を提供した。
論文の共著者で退役軍人センター医療制度のディレクター、ジャド・アラリ氏は、「これらの薬剤は、肥満症の真の要因を解明するのに寄与している」と述べ、「肥満症を効果的に治療するには、食物に対する中毒のような行動に根本的に対処する薬剤が必要だ」と指摘した。「GLP-1受容体作動薬が肥満症治療薬として目覚ましい成功を収めている一方で、中毒の経路を標的とせず、その保護効果が失敗している現行の治療法が多いことを説明できる」とも付け加えた。
こうした発見は、医療用麻薬の使用に関連する依存症リスクの増加を防ぐために新しい治療法が求められる現況において、特に重要である。これまでの研究でも、糖尿病治療薬が脳の報酬システムに働きかける可能性が示されており、それが依存症の克服に新たな光をもたらすことが期待されている。
今後の研究では、具体的にどのようにしてこれらの薬剤が依存症に関与するのか、さらに詳しい分析が行われる予定である。2023年までに世界全体で利用される7630億ドル以上の市場が予測されており、競争がますます激化している中で、こうした治療法の発展は業界全体に影響を与えるだろう。