科学

「探針による機械データ保存」でデータ保管する新ストレージ技術!従来のHDDに比べ4倍のデータ容量を記録可能

2025-01-09

著者: 結衣

オーストラリアのフリンダース大学に所属する研究者たちが発表した論文「Probe-Based Mechanical Data Storage on Polymers Made by Inverse Vulcanization」は、探針で穴を開けるようにデータを記述し、読み取り、消去を可能にする新しいアプローチを提示した。

現代の主流であるHDDやフラッシュメモリには物理的な限界があり、更なる大容量化が難しい状況である。この問題を解決する新技術として、研究チームは原子間力顕微鏡(AFM)を利用し、ポリマー表面に微細な穴を開ける手法を開発した。この技術の革新性は、新しい「ポリマー材料」を使用している点にある。

このポリマー材料は、堅い黄色の特殊な有機物を逆加硫法で生成したもので、345nmという極めて小さなピッチでデータを記録することが可能だ。このプロセスにより、データの記録密度は従来のストレージに比べて4倍にも達する。

加えて、この探針技術は、データが「入力」と「出力」という二つの値によって表現されることを示しており、データ消去も非常に効率的です。この技術によって、深い穴、浅い穴、濃い穴の3種類の値を組み合わせて表現することができます。

実用化に向けた試験では、74800nmの極薄フィルム状態のポリマーでもデータ記述が可能であることが示された。さらに、140度で10秒間加熱することでデータを消去可能であり、再利用もできるという利点がある。さらに、電子顕微鏡でのデータ読み取りの可能性も確認されている。

この技術の実用化が進めば、ストレージ業界に革命的な変化をもたらすかもしれません。特に、データの増大が日ごとに進む現代において、効率的かつ大容量なデータ保存方法が求められている中、この研究成果は非常に注目されています。新しい時代のデータ保存技術が、私たちの生活を一変させる日も近いでしょう。