科学

太陽光で浮遊する新たな飛行体、米国チームが技術開発!高度50~100kmの未開拓層でも飛行可能に:Innovative Tech

2025-08-19

著者: 裕美

米国の研究者が新たな飛行テクノロジーを発表

米国ハーバード大学などに所属する研究者たちが、光の力を利用して地球の大気圏から外れた領域で飛行できる新しい飛行体を開発しました。この研究は、科学誌『Nature』で発表され、太陽光を使って浮遊する非常に軽量な構造物が、地球の上空50~100キロメートルで動く可能性を示唆しています。

画期的な「光波動」技術とは?

この革新的な技術は、「光波動」と呼ばれる現象を利用したもので、ナノサイズの精密に作られた膜が熱を受けることで上昇します。太陽光を浴びた下部の膜は光を吸収して温度が上がり、上部との温度差によって持ち上がる仕組みです。この原理により、飛行体が地球の重力に逆らって飛行することができるのです。

実験で示された優れた性能

研究チームは、実際に1センチ四方の試作品を用いて実験を行い、約26.7Paの低圧環境下でも750W/m²の光を受けて実際に浮遊する様子を確認しました。この試作品はわずか10mgの軽さであり、その飛行能力は将来的に衛星などの用途に応用されることが期待されています。

未来への展望と無限の可能性

新たな飛行体が活躍する領域は非常に広大です。高度50キロメートル以上から250キロメートルの大気圏外では様々な探査が可能で、特に通信技術の発展にも寄与する可能性があります。研究者たちは、この技術を宇宙探査や環境モニタリングなどに活用することで、より効率的なデータ収集ができる未来を描いています。

技術の商業化に向けて

今回の研究を主導したC.シャーピン氏は、今後の技術を商業化するためのスタートアップ企業を設立し、実用化に向けた道筋を築いていると述べています。この新しい飛行体がどのように地球外探査の未来を変えるのか、期待が寄せられています。