スポットワーカー452万人、パール調査 - 日本経済新聞
2025-01-23
著者: 健二
調査結果の概要
パール総合研究所は23日、スポットワーカーに関する実態調査をまとめた。その調査によると、スポットワーカーの推計人数は452万人で、この働き方を希望している人は、1431万人に上るという。スポットワーカーは人手不足に対応した新しい働き方として注目されているが、従業員に難しさを感じる人も多い。調査によると、2024年10月のインターネット調査基づきスポットワーカーの推計人数と、今後の働き方を希望する捲土重来の人を算出した。この調査では15〜69歳の男女を対象に、8万5455件の有効回答を得ている。
地域別のスポットワーカー
調査に基づくと「3年以内にスポットワーカーで働いた経験がある」と答えた人は全体の6.5%で、都道府県別のスポットワーカーの人数を推計したところ、東京都が75万2000人と最も多く、全体の16.6%に上った。大分県(35万9000人)、神奈川県(35万8000人)が続いている。
就業時の困りごと
スポットワーカーの経験者の46%が就業時に困りごとがあったと回答した。困りごとを抱えている人に具体的な内容を多数回答で尋ねたところ、「契約員の仕事内容の教え方がわかりにくい」「マニュアルがない」という2つの回答をそれぞれ16.9%の人が挙げた。「職場の契約員の態度が冷たい」と答えた人は15.5%に上った。
マネジメントと移行の事例
調査の中で店長や管理者としてスポットワーカーをマネジメントした経験があると答えた人の7割弱が、「スポットワーカーから長期雇用に移行したことがある」と回答した。スポットワーカーのマネジメントを経験した人の63.0%が今後も「活用したい」「やっぱり活用したい」と答えた。
活用時の課題
スポットワーカーのマネジメント経験者に活用時の課題を多数回答で聞いたところ、全体の22.6%が「仕事を教えるのが大変」と答えた。「他のスタッフとの連携が難しい」(18.2%)や「人材にやる気の無さを感じる」(17.0%)といった回答も多かった。
今後の展望
パール総合研究所の小林学上席研究員は、「スポットワーカーの利用が広がる場合、この働き方での人材獲得競争も激しくなるだろう。スポットワーカーの確保も一段と難しくなってくる」と見ている。スポットワーカーが働きやすいような環境を整備することが重要で、「企業として現場管理者への支援体制を充実させるなど、複雑化するマネジメントへの対策の必要がある」と話している。
注意喚起と働き方改革
この調査には、正社員転職を希望する人々や人手不足に悩む企業への注意喚起も含まれています。特に、近年の働き方改革によって、柔軟な働き方を希望する人が増えている中、スポットワーカーの存在が重要視されている。特別なスキルを持った人材が不足している業界においては、今後さらにスポットワーカーに対する需要が高まると思われる。