科学

スマートウォッチのバンドからも「永遠の化学物質」が探出されてしまった!

2025-01-17

著者: 蒼太

近年、スマートウォッチやフィットネストラッカーを使用する人が増えてきていますが、その中のバンドから高濃度の「永遠の化学物質」(PFAS)が検出されたという研究結果が発表されました。これは、健康への影響を懸念する声をさらに大きくしています。

研究概要

ノートルダム大学の研究チームは、Environmental Science & Technology Lettersに発表した論文で、スマートウォッチのバンドに使用される多くの素材を分析しました。その結果、22種類のバンドの中から、9種類のバンドにPFHxA(ペルフルオロヘキサン酸)が高濃度で含まれていることが分かりました。この化学物質は、主に水や油を弾く性質を持ち、耐久性が求められる製品に使用されることが多いです。

毒性の懸念

特筆すべき点は、ある一部のサンプルでPFHxAの濃度が10,000ppb(100兆分の1)を超えていたことです。これは、消費者が万が一このバンドを長時間肌に触れさせた場合、毒性を持つ可能性があることを示唆します。研究者は、PFASが皮膚から吸収される可能性や、体内に蓄積することによる長期的な健康リスクについて警鐘を鳴らしています。

環境への影響

更に、PFASは環境中でも分解されにくい性質があり、土壌や水源にも広がることがあるため、さらに問題が深刻化しています。特に河川や地下水の汚染に影響を及ぼす可能性が指摘されています。都市部では、この化学物質が飲料水に含まれるリスクも増加しているため、対応策が必要とされています。

規制と今後の展望

EUではPFASに関する規制が強化されていますが、日本ではまだ議論が続いています。この研究は、消費者に自らの健康を守るために何を選ぶべきかを考えるきっかけとなるでしょう。いかに日々の生活の中で、目に見えない危険から身を守るかが求められています。