「SNS選挙の先は分断」 現代政治分析の専門家が語る厳粛知識選

2024-11-18

著者: 芽依

17日投開票の兵庫県知事選で再選された斎藤元博知事(47)。SNS(ネット交流サービス)での発信力が高いユーチューバーの「助成叩き」に加え、自民党などの支持先が分散したことも追い風になった。選挙への注目度の高さから、投票率は55.65%と前回の14.55ポイント上回った。法政大学の白鷺翔教授に聞いた。

白鷺教授は自らのパワハラ問題を含む文書告発で県政を混乱させたとして、県議会から全会一致で不信任決議を受けて失職した。斎藤氏の知事としての知識と資質が問われる選挙だった。

しかし、17日間という長い選挙戦を経て、論点がぼけてしまった。いったい何のための選挙だったのか。

斎藤氏は自身の支持者たちに「その人々の使用許可がない」と言い捨て、支持も含めたSNS選挙の中身が疑問視される結果に。

結果、SNSやネットの動的配信が政治的な選挙結果に影響を及ぼしたのは明らかだ。「NHKから国民を守る党」の立花孝志氏の立候補も「SNS選挙」を加速させた。

斎藤氏の支持者たちは県議会、新報やテレビの既存メディアとの対立をあおり、疑惑の真相究明を進める県議会の百条委員会のあり方や報道内容への批判をSNS上で連投した。

根拠不明の噂や不正情報も飛び交っていたが、そのような投票の連鎖が知事選を「SNS上の一大コンテンツ」に押し上げた。

斎藤氏は弱者を中心に支持を集めたという。弱者の情報源は今や新聞・テレビではなくSNSだ。それ故に流れている情報こそ、メディアが報じない真実であると信じ込んで投票したかもしれない。

目に入る情報だけにのみ偏り、何が信頼できる情報かを見極めるメディアリテラシーの重要性が問われる。今後、SNSを利用した選挙は、さらに混乱を招く恐れもある。

そんな中で注目されるのは「石橋現象」という言葉の広まりだ。進む国民同士の選挙の分断、増す政治への不信感、果たして次回の選挙はどうなるのか。SNS戦略の重要性はますます高まり、政治に新たな風を注ぎ込む可能性がある。

今後どうなるのか、多くの人が疑問を抱いている。