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輸入米で注目!独特な米の輸入ルール「ミニマムアクセス」 | 毎日新聞

2025-03-22

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国産米の高騰を受け、割安な輸入米に注目が集まっている。その米の輸入ルールは独特だ。日本人の主食である米や農家を守るため、米の輸入を原則認めないとする政府が方針転換したのは1995年。自由貿易を進めるための関税貿易一般協定(ガット)ルールに基づき、政府が輸入米を一定量まで関税ゼロで受け入れる枠「ミニマムアクセス(MA)」を設定した。現在の輸入量は約770万トン。米国、タイ、オーストラリア、中国などから輸入されている。

MA米の多くは、加工食品の原料用や feed用として販売されるほか、海外の穀物援助用にも活用される。一方で、最大10万トンは主食用として輸入される。業者は政府の輸入価格に上乗せする「マークアップ(輸入差益)」(上乗せ1キロ当たり292円)を国に提示し、提示した金額が最も高い業者が落札される仕組みになっている。2024年度は7年ぶりに全量が落札される。

国家貿易による輸入枠とは別に民間事業者による輸入も可能だ。ただし、1キロ当たり341円の関税を負う必要がある。これまで関税が高いこともあり、民間輸入量は年平均300〜400トンで推移し、23年度は368トンだった。しかし国産米の高騰を受け、関税を負っても採算が取れると業者が判断したことなどから、輸入量は急増している。24年度(1月末時点)の輸入申請量は991トンとなっている。

日本の米市場はこれからも変化し続ける。高騰する国産米の影響で、輸入米の需要はますます高まると予想されている。特に、食料自給率が低下している状況で、外国からの米の輸入が日本の食卓にどのように影響を与えるのかが注目されている。今後の米市場に目が離せない。