書評『シンギュラリティはより近く』レイ・カーツワイル著 人類の幸福な行く末を予言
2025-01-24
著者: 芽依
レイ・カーツワイルは天才だと考えられている。前著『シンギュラリティは近い』を読んだ2005年当時、私はその内容を十分に理解できなかった。空想的なことが書かれていて、そういう考え方もあるのかと思ってはいた。しかし、いまだ未来学者として名を馳せるカーツワイルだが、当時の彼に対する発信力も知名度も有るわけではなかった。しかし、その後、ディープラーニングが生まれ、生成AI(人工知能)が広まり、カーツワイルが提唱した「シンギュラリティ」が現実味を帯びてきた。彼の予測は単なる空想ではなく、我々の生活に直結する可能性があるのです。
特に注目すべきは、カーツワイルが描く未来像だ。それによると、技術の進歩は人類の生活を大きく変え、さまざまな分野で新たな可能性を切り開くとされています。例えば、医療の分野では、AIによる診断と治療の進化により、病気の早期発見や個別化医療が実現する可能性が高いと言われています。また、社会全体においても、労働形態が変わり、人々はよりクリエイティブな活動へシフトしていくことが予想されています。
しかし、これらの進展には注意も必要です。カーツワイルは、技術の進歩がもたらす恩恵だけでなく、その影響がもたらす社会的な課題についても触れています。労働の自動化が進むことで失業の問題が深刻化したり、個人情報の扱いに関する倫理的な問題などが浮上する可能性があります。これらの問題に対しても、我々は真剣に考えていかなくてはならないのです。
最後に、カーツワイルが提示する未来のビジョンは希望に満ち溢れていますが、それを実現するためには我々一人ひとりがどのように行動するかが鍵となります。今こそ、技術の進歩を受け入れ、より良い未来を築くために動き出す時です。