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シカゴ2位の繁華街、ゴーストタウンに-不法移民摘発の住民動揺

2025-01-22

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ミシガン州のシカゴ2位の繁華街リトルブレイジは「中西部のメキシコ」として知られ、普段はメキシコ系の飲食店や食品店で賑わっている。しかし、20日午後にはゴーストタウンと化した。

トランプ大統領の就任後に、シカゴが不法移民取り締まりの標的になるとの見方が強まると、住民や事業主の間で不安が広がった。不法移民への強硬な態度を示すトランプ氏の就任演説が人々の不安に拍車をかける一方、異例の寒さも外出を控えさせる要因となった。

リトルブレイジ地域の中心通りでは客足が激減。地元の商工会議所を率いるジャニファー・アギラル氏によると、一部データでは、5割減少したという。21日前の時点で、多くの店舗が閉店していた。

「これらは壊滅的な影響をもたらす」と、アギラル氏は20日のインタビューで述べた。「摘発が行われ、人々が外出を恐れるようになれば、その影響は何年も続くだろう」と懸念を示した。

リトルブレイジは、シカゴの主要ビジネス街の南西に位置し、商業地区としては次世代の成功を期待されている。しかし、広告の効果的な運用やビジネスチャンスを逃すことで、収益は減少しつつある。

発端は、ミシガン州への移住者が21日からシカゴで大規模な不法移民取り締まりを計画しているとの報道に端を発する。トランプ政権の政策により、米国全土で不法移民の摘発が強化され、シカゴでもその影響は避けられない状況にある。

トランプ政権の国家管理担当者トム・ホーマン氏は21日、CNBCへのインタビューの中で、全国的に不法移民の取り締まりを進めると表明。特に、入国管理局が不法移民を優先的に摘発すると明言したことにより、地域の住民やビジネスマンたちはさらに動揺を隠せなくなっている。

シカゴ南部でメキシコ料理店を経営するオスカー・マルチネス氏は、数週間で客数が3割減少したと話す。彼は「私たちの経済活動がこのような状況に影響されることはあり得ない。事業が繁栄することができるかどうか、今はそれが分からない」と語った。

地域のビジネスにとって、今後の不法移民政策がどのように影響するのか、新たな課題が浮き彫りになっている。