健康

実家の高齢両親はうつで「虚無」状態、一方で……「生き方がうまい」と義母に感じる元気のコツ

2025-01-20

著者: 愛子

厚生労働省の「令和6年版 厚生労働白書」によれば、2020年の精神疾患を有する外来患者数は約5486万人。年齢別に見ると、55~64歳が71.4万人、65~74歳が69.4万人、75歳以上が136.2万人にのぼります。

高齢者の場合、身体機能の低下や社会的役割の喪失からの不安感が、うつ発症の要因となることが分かっています。

65歳を過ぎ、特に気になるのが「なかなか思うようにいかない」状況。

「65歳になって2度目の定年になった父は、当初『半年くらいしたら、もう少しだけでも仕事をしようと思うんだ』と元気な様子でした。しかし、定年になってすぐに、母とともに2週間ほどのヨーロッパ旅行へ行ったのですが、年金もそこそこあるし、これで一安心と思っていたら、1年後、母からSOSの電話があったんです。」

フトンがひとり占めされた実家に、ソファに座っている父がいる姿を見て、母は心配が募りました。何かをしてくれるわけでもない父の様子に、母の心は不安でいっぱいになっていました。

1日中、ぼんやり過ごす父の様子は、自分にとってもあまり好ましくない影響を与えました。気を使われながらも、何かを言うべきか迷いましたが、父が何もしてくれないことが不満になり、母はその文句を続けるしかありませんでした。すると、3年前に彼女が思っていたような状況に戻ってしまったのです。

父のうつ状態は、地域の福祉や介護サービスに影響されていました。適切な介護や支援が必要と世間が考えている中、父が「介護に必要なことをしてもらった」と思えないと、気持ちが虚無に沈んでいきました。

「その後、地域の福祉に関連する父の展望も崩れましたが、介護が必要だというよりは、もっと快適に生活できる方法に着目するべきだと思っています。すぐに病院に繋がったのは、自分たちからであったことと、プライドや不安を抱えたまま続けてしまったことです。」

母は、曾おじいちゃんの話をし始め、地域の話題などを引き合いに出し、父を元気づけようとしました。「その時、地域の友人の支えが大事だ。介護に頼るだけでなく、自分たちでやってみることも成長につながると思います」と言っていました。

母が自分の役目を果たさなければ、両親は体が悪化し続けるでしょう。そのために、私は母の励ましを手伝うことが必要で、家族全員で積極的に話をすることが重要です。

父の気持ちも支えられながら、自分たちの生活も楽しむことが大切だと心から考えています。私たちの努力が、結局は父と母の健康にも繋がっていることを忘れずにいたいです。

ときどき会話をして、コミュニケーションを大切にし、また回復のために全力を尽くしたいと決めています。