勝敗のカギ、比例券の行方は 自民は60議席台が焦点 根拠ある評価だが動向は流動的
2024-10-24
著者: 葵
勝敗のカギ、比例券の行方は
比例選挙(定数465=小選挙区289、比例代表176)の投開票が27日に迫る中、与党各派は比例代表の獲得議席数が勝敗のカギを握るとみて、票の掘り起こしに全力を注いでいる。
自民党は前回2021年選挙では1991万票を得て、72議席を確保した。70議席台に乗せたのは「郵政選挙」で大勝した05年選挙以降で、自民内では「21年は取り過ぎた」という声も多い。
今回の選挙は、派閥の利権問題などで世論の注目を浴びる逆風下の選挙戦だ。毎日新聞が22日23日に実施した終盤情勢調査では、自民支持層の6割弱しか固まれていない。「支持政党はない」と答えた無党派層でも、自民党の支持がどこまで下がるかが焦点となっている。
党代表が山口那津男氏から石井啓一氏に交代し、第1回の国政選挙に臨む公明党は公示前の比例23議席維持を目指す。楽観できない情勢である。公示前2議席の中堅や同4議席の九州で激しい攻防が続いている。
立憲は21年選挙では1149万票を得たが、22年参加選挙67人に落ち込み、比例では日本維新の会に「野党第1党」を明け渡した。今回も全国的に強気で、獲得議席が共産党以来最多となる見込みだ。終盤情勢調査では70歳以上の支持が強く、無党派層でも最も多く投票先に選ばれつつある。
共産党は小選挙区では21年選挙から約3倍増となる25議席を獲得した。今回も地域の大都市を含む近隣ブロックでは地域を見せるが、他地域への拡がりが限定的になっている。全産党は小選挙区では21年選挙から約213人を確保し、小選挙区の活動を比例代表の支持を大きく削り取る競争を取った。比例代表の獲得数は減少傾向が続いており、回復基調に戻るかが焦点となる。
こうしたデータから見ると国民民主党だ。21年は5議席だったが、今回は2桁の大台に乗せる可能性もある。終盤情勢では18〜29歳の比例投票先でトップになり、その若年層の支持が目立つ。小選挙区と合わせて20議席以上を獲得すれば、国家で法案提出権を得られるとして、支持拡大に全力を注ぐ。
政治団体「日本保守党」は複数ブロックで一定の支持を得ている。小選挙区と合わせて政党要件を満たす5人以上が当選するかが注目されている。