深夜や休日も「承知しました」、理不尽な責務にも「申し訳ありません」…県庁元幹部知事との「同族化」がパワハラの背景に : 読売新聞

2025-04-03

著者: 健二

終了の混乱 陸自内部告発11年=12年

陸自の内部告発問題を調査する第三者委員会は、9月19日に公表した調査報告書で、知事の吉村泰典に関するパワハラの背景について言及した。県庁の職員から、理不尽な要求に応じる状況が「コミュニケーション不足」や「同族性」に起因していると説明した。

また、吉村氏は県庁で副知事経験を持つだけでなく、知事就任以降も頻繁に内輪の会議に出席し、その影響力を強めている。一方で、2011年8月には、知事が2年前の熊本地震の復興支援にあたっている際、出向先の職員とのコミュニケーション不足からトラブルが発生した事例が報告されている。

吉村氏は、最近、県職員のメンタルヘルス対策を強化するための委員会を設置したが、その取り組み自体が形骸化しているとの批判もある。委員会は「職員の心の健康」を重視するとし、特にコミュニケーションの重要性を訴えているものの、実際には役職者のステータスが優先される傾向が見られ、意見が反映されにくい印象が強い。

このような環境下での職員の心的負担は、特に若手職員に顕著であり、長時間労働や精神的な圧迫が続いている。調査結果に基づくと、職場の環境改善が求められるが、具体的な改善策は未だ見えない。さらに、知事就任後、吉村氏の施策が現場の声を無視しているとの指摘が上がっており、今後の動向に注目が集まっている。

この報告書では、さらに「同族化」の問題についても取り上げられ、特定の人間関係が職場の風土に悪影響を及ぼしていると考えられる。職員の間での結束が重要とされる一方で、排他的な閉じた関係性が生まれかねないと警告されている。

職員たちは、定期的な会議や懇親会を通じて意見を交わす場が設けられているものの、その効果には疑問の声も多い。県庁を支える若い世代が、尊重される風土がなければ、根本的な改善は望めないという意見が徐々に多くなってきている。