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サタデー・ナイト・スパシアルとは? 不意打ちの買収手法 市場を知るニュースワールド - 日本経済新聞

2025-01-19

著者: 陽斗

買収先の同意なく実施する買収(敵対的買収)の手法の1つです。1970年代の米国で用いられたとされ、対象企業に事前に通告をせず、株式市場が閉まっている土曜日に提案することでターゲット企業に防衛策を講じる余裕を与えないのが特徴です。

当時は発表から7日以内に買い付けを完了することができる定めがあり、週末を活用することで不意打ちの買収が可能でした。その後、株主が十分に検討する時間を確保できるように買収期間が変更されるなど、規制が強化されていく経緯がありました。

この手法が本格化した背景には、企業合併や買収が盛んに行われた時代があり、特に技術革新や市場競争が激化する中で、企業の生存戦略として自社の価値をできるだけ早く引き上げる必要があったことが挙げられます。

そして現在、デジタル時代の到来とともに、敵対的買収に対する監視はさらに厳しくなっているといえます。最新の市場動向や企業戦略に基づいた柔軟な対応が求められていますが、不意打ちの買収手法は、新しい時代においても一部では生き残っているかもしれません。企業や投資家は、常に変化する市場に対して警戒を怠らないことが重要です。