科学

サンゴのCO2固定で骨格作り成長 北里大学など研究グループが明らかに

2025-01-01

著者: 裕美

サンゴの骨格形成におけるCO2固定の重要性

北里大学の安原講師らの研究チームは、サンゴの生息が骨格を作る仕組みを明らかにしました。この研究によると、骨格を作る構成で二酸化炭素(CO2)を固定する反応が始まることが分かりました。

サンゴは骨格の表面に炭酸カルシウムを付加し、主要成分にして成長します。微細な内や海水中に溶けたCO2とカルシウムイオンから炭酸カルシウムを合成することが大切ですが、合成メカニズムは分からない点が多かったのです。

研究チームは、サンゴが育つサンゴの一種の生息を使って、骨格を作る構成への物質移送などを調べました。周囲の微細から、アルカリ性の物質が骨格を作る構成に移送されている可能性が高いことを明らかにしました。

骨格を作る構成がアルカリ性に近づくため、CO2固定に対する反応が始まりやすくなっていることが判明しました。このことから、サンゴが成長するための環境として、CO2固定が重要であることが示唆されています。

今後はサンゴの生態系全体でのCO2固定量についての研究を進める予定です。さらに、近年増加しているサンゴ礁の減少に伴い、温暖化の影響を受けやすい他の海洋生物についても研究を進める必要があります。サンゴの仕組みを理解することで、海洋環境の保全にもつながると期待されています。