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若者たちの「キス」や「性交」は減少中、自己満足は増加中?性教育協会の調査結果が衝撃

2024-11-05

著者: 愛子

「日本性教育協会」(東京都千代田区)は、令和5年度の「青少年の性行動全国調査」を発表した。大学生、高校生、中学生の男女すべてのキスの経験率が平均17年以下で4回の調査で少なくなった一方、自己満足の経験率は23年以下で3回の調査で増加しているという。また、性交の経験率も高校生の男女で17年調査から半減した。

背景には、若者の間で「草食化」が進んでいるとの実態が浮かぶ。若者の性教育の重要性が問われる中、調査結果が発表された。性教育が始まった昭和49年、その時代から続く調査の中で、毎年約12万人の生徒を対象にした大規模な調査が行われている。

2023年の調査では、昨年9月から今年6月まで全国で実施され、4627人の中学生、4321人の高校生、3614人の大学生から回答を得た。「ある」と答えたのは、大学生男子が76.6%、女子が72.9%、高校生男子は47.3%、女子は52.4%、中学生男子は19.7%、女子は19.9%であった。高校生女子は第1回から全体の調査で男児よりも経験率が高かった。

大学生の性行動の傾向に関しては、大学生男子が60.8%、女子が53.9%、高校生男子が22.8%、女子が27.5%、中学生男子は5.7%、女子は3.4%だった。大学生男子を除く各階層のキス経験率が最も多かったのは、平成17年の調査でそれぞれ72.2%、71.6%、48.6%、52.2%、15.8%、19.2%である。最も低い18年の間で中高生でキスの経験率がおよそ半減している。

高校生の減少幅が大きい中、性交の経験率については、大学生男子が53.7%、女子が43.8%、高校生男子が12%、女子が14.8%、中学生男子が3%で、女子も3.4%といずれも過去最少を記録した。大学生の経験率のピークは男子が平成11年の63%、女子が17年の60.1%であり、いずれも下がる傾向にある。

自己満足の経験率についても、平成29年の前回調査と比較して、中高生ともに割合が増えている。調査では、自己満足の経験率の増加が見られ、中学生女子は4割、男子は90%強、高校生女子は20%、男子は30%強と前回を超える結果となった。この数字は過去最高になっており、若者の性に対する態度の変化が色濃く表れている。

「自己満足や性に対する理解を深めることが、現代の若者にとって重要な課題です」と、日本性教育協会の桜井理事はコメント。「性行動の減少は、恋愛関係の形成に対する不安感の表れとも考えられ、今後の教育や支援の必要性が増しています。」と強調した。

今後の課題として、このような変化に対してどのように教育を行っていくかが問われている。多様な価値観を持った若者たちに対し、適切な性教育を届けるためには、学校だけでなく家庭や地域社会の理解と協力も必要不可欠である。若者たちの心理的なサポートが不可欠だという声も上がっている。