健康
入院中の患者、認知症リスクは5倍超 1万例超が対象の全国後向きコホート研究 | ヨミドクター(読売新聞)
2024-10-29
著者: 雪
大宮医科薬科大学神経精神医療教室の南博司は、同大学病院の65歳以上の入院患者1万例超を対象に、入院中のせん妄と認知症リスクとの関連を評価する後向きコホート研究を実施した。その結果、せん妄非発症者と比べて、認知症発症リスクがなんと5倍を超えることが明らかになったと報告した。
一般に、入院患者におけるせん妄と認知症の関連性を示す研究は増えてきているが、今回の研究はその中でも特に大規模なものであり、高齢者医療におけるせん妄の重要性を再認識させるものである。
南氏は、特に高齢者が持つ基礎疾患や医療行為、入院環境がせん妄を引き起こしやすいと指摘している。これらが重なることで、認知症リスクが高まるため、医療従事者には入院中の患者に対する細かな観察と早期対応が求められる。
また、入院患者におけるせん妄発症を防ぐための対策も講じる必要がある。具体的には、入院中の環境改善や、定期的な認知機能の評価、適切なリハビリテーションが推奨されている。
研究の結果は、特に高齢化が進む日本において、医療現場における重大な示唆を与えるものであり、今後の高齢者医療における対策方針に反映されることが期待されている。日本では認知症の患者数が年々増加し続けており、早期発見と適切な治療が切に求められている。