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ロシア南部、黒海の石油流出で緊急事態宣言

2024-12-26

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[モスクワ 15日 リポート] - ロシア南部クリミア半島の沿岸で、15日、10日前に発生した黒海での石油流出事故に関して、依然として状況が深刻であるとして、地域全体に緊急事態宣言が発令された。

同地域のコントロールを行っている当局は15日、通信アプリ「テレグラム」で声明を発表。アナパやテムリクの沿岸が石油で汚染されており、地域全体に緊急事態宣言を発令することを決定したと明らかにした。沿岸部には深刻度の低い緊急事態宣言が出されていたが、状況の進展により変更された。

同県は「科学者や専門家の推測によれば、燃料油の大半は海底にとどまり海中で回収できるはずだったが、高温で石油が海面に浮かび上がっている」と述べた。

一方、事故処理にあたっている危機管理センターは、座標したタンカーのうち1隻の船首を海中で発見。油漏れが起きていないか海上の確認担当者が確認すると述べた。

同センターによれば、これまでに沿岸部の12分平方キロにわたって調査が行われ、15トンの石油流出が確認されている。また、環境への影響を受けた地域の調査も進んでおり、地域住民に不安を与えている。

事故の影響については、海の生態系にも影響を及ぼすことが懸念されており、専門家はこの流出事故が海洋生物にとって深刻な脅威になる可能性があると警鐘を鳴らしている。今後の調査と対策が待たれる中、当局は地元住民や漁業業者に対し、慎重な行動を呼びかけている。