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ロシア、ウクライナに「もはや勝利」でも大損失が確定!地政学・軍事・経済の全てで「赤字」

2025-01-02

著者: 蒼太

ロシアによるウクライナ侵攻の早期終了を告げるトランプ次期米大統領の言辞の後、本格的にロシアとウクライナに停戦が動き出す見通しだ。しかし一部のウクライナ軍の実効支配をロシアに認める条件で停戦が成立すれば、ロシアは一定の「勝利」を収める形になる。しかしその場合でも、過去3年間にわたる侵略戦争でロシアが被った損失は地政学、軍事、経済の全てにおいて甚大であり、大赤字が確定している。

一部地域で実効支配を受け入れても

トランプ氏の停戦案の一部には、現行の前線を停戦ラインとして確認するという内容が含まれている。そのため、ウクライナの東部の一部地域がロシアの支配下に残ることになる可能性が高い。そうなれば、ロシアとしては一応の軍事的成果を示すことができるが、ウクライナeast部の先進季候のためにはその影響が懸念される。ロシアはNATOとの緊張を避けつつ、ウクライナに対して今後も押し引きの姿勢を保持するかもしれない。

これに関連して、プーチン大統領はNATOへの加入を模索するウクライナの動きを牽制するためまで利用されている。ウクライナ政府には「米国と西側諸国のサポートが重要」であると強調し、ロシアがNATO加盟国の支援を得たことを反映させないよう努めている。

加えて、これはロシアの経済の構造にも深刻な影響を与える。ロシアの2023年のGDPは大幅に減少し、国際市況に対する依存度が高まる中で、経済成長の停滞が懸念される。ロシアでの軍事的消耗が長引く中、戦費の高騰が社会に重くのしかかる。

なお、ロシア軍は補給の許可を受けているが、兵力の補充は困難な状態にある。加えて、ウクライナの防衛能力が強化される中、戦況は長期化することが懸念される。

事実、元ソ連圏の国家間での影響度も増した中東地域での戦略的配置をめぐって激しい議論が起こっている。ロシアは複数の国々との軍事協力を進めるが、各国のニーズに応じた柔軟なアプローチが求められていることが明らかだ。

このように、ロシアは今後数年にわたり戦況と経済の両方に厳しい道のりが予想される。特に、ウクライナ問題が解決されない限り、影響力を維持すること自体が極めて困難な状況が続くことは間違いない。ロシアにとっては想定外の完全な「敗北」に近づいているといえよう。