日本生命保険史上初のユーロ建て債を発行-新規制下で資本増強へ
2025-01-23
著者: 健二
国内大手生命保険会社が相次いで海外市場で債券を発行している。新たな資本規制の導入や大規模な企業の合併・ acquisitions(M&A)などに備え、財務基盤を強固にするためである。
日本生命保険は新たにユーロ建て債を発行し、金額は5000万ユーロ(810億円)に達した。この発表は17日、発表されたプレスリリースにより明らかになった。ユーロ建て債券の発行は日本での初めての試みであり、国内市場における生命保険の発行体がこれを行うのは画期的な出来事である。
グローバルな215カ国・地域が加入している「保険監督者国際機構(IAIS)」での議論が続いており、2025年度末から適用される新たな資本規制では、保険契約に基づく負債と同様に、資産に対してもには厳しい要件が課せられるとされる。このため、保険会社は財務基盤を強化する必要がある。新たな資本規制においては、保険契約に基づく負債を資産でカバーしながら、流動性資産に依存する必要があるため、自らの資本を強化する必要性が一層高まる。
同社のプレスリリースによると、ユーロ建て債の発行後、4月には社内の基準や規制が強化されており、継続的な外貨建て資金の調達が行われる見通しである。また、収益率の高い高度な債券や他の投資機会との競争が活発化している。このため、保険業界全体が新たな規制に適応する力を高めている。
市場リスクなどを考慮し、日本生命では自己資本の充実や流動性を確保するため、これまで以上に戦略的な資本運用が求められる。実際、2022年は明治安田生命保険が9000万ドルの債券が発行されるなど、他の保険会社も同様の動きを見せている。
次年度にはさらなる債券発行の予定もあるとされ、特に欧州での動きを強化すると言われている。これは日本生命にとって、国際的な資金調達の手段を多様化し、より継続可能な財務戦略を構築するための重要なステップと言えるだろう。