日本ハム新庄剛志監督（52）が20日、「逆転入団ポテンシャルモンスター」を1軍に大抜擢した。目を輝かせて「見たくないですか？」と期待を寄せたのは、育成で唯一キャッチャーとしてなった山口アタル（25）のことだ。

今季は3年目。類稀な身体能力の持ち主だが、1年目の23歳7月に左腕前十字靭帯（じんたい）の再構築を受けて長期離脱。昨年5月に2軍で実戦復帰し、1年目より1試合少ない35試合出場で前年の倍となる4本塁打を放った。

指導官が高く評価するのは打撃技術。 「彼は思いっきり振っても体の軸がぶれないし、バットの出がいいから『3打3安打』でも打てるんじゃないか」という意見もあり、期待感が膨らむ。

彼の出身地である山口県の高校では、12球団へのプレー動画を送付。入団テストに挑み、見事に合格した経歴を持つ。入団後も休日返上でトレーニングを重ね、成績を向上させている。

「カナダ出身の山口は逆転入団のチャンスをつかみ取った」との新庄監督の期待が新たに高まる一方、今季の春季キャンプでは彼の成長を見届けることが注目されそうだ。 　

「昨年（背番号が）2桁になっていたかも」と新庄監督が期待する中、次のステップに向けてのアクションを起こす可能性が高まっている。 【木下大輔】