IT業界では、基礎的なIT知識がますます重要視されるようになっています。特に、文系の学生や若手社員にも、この領域の知識が求められる傾向が強まっています。近年、大学でも統計学やデータ分析の授業が増えており、学生たちは新たな技術やトレンドに触れる機会が増えています。

具体的には、国立大学法人として有名なある大学が、全学生を対象に「ITリテラシー」を育成するためのプログラムを提供しており、昨年からの受講者数が前年比で15%増加したと報告されています。これは、企業が求めるデジタルトランスフォーメーション（DX）の流れに沿ったものであり、今後ますます企業内でIT知識が必要となるでしょう。

デジタルトランスフォーメーション（DX）とは、企業や組織がITを活用して業務プロセスを最適化し、新たな価値を創造する取り組みであり、特にコロナ禍以降、その重要性が増しています。しかし、DXを進めるためには、技術的な理解や適応力を持つ人材が不可欠であり、現状ではそのような人材が不足しているのが実情です。

近年の調査では、企業がDXを進めるにあたり、必要な人材の75%が不足しているとの結果が出ています。このままでは、DXを進める企業が競争から取り残され、最悪の場合、破綻するリスクすらあると警告されています。

また、2024年にはAI技術の進化が本格化する見込みであり、これに対応できる人材の需要が急増すると予測されています。我が国の大学もAI関連の学科を新設し、次世代の技術者教育に力を入れるようになってきています。これによって、受験者数の増加も見込まれ、基礎的なIT知識を証明する資格やスキルが、今後さらなる価値を持つようになるでしょう。

このように、IT知識はもはや特定の職業に限るものではなく、全ての業種において必要不可欠な要素となっています。これを受けて、今後のキャリア形成においてはIT教育が重要なキーワードとなることでしょう。