青森の記録的大雪、「線状降雪帯」と関係か 海面水温上昇などで雪雲 | 毎日新聞

2025-01-05

著者: 健二

記録的な大雪とその背景

青森県では年末年始にかけて記録的な大雪となり、県は12年ぶりに豪雪対策本部を設置した。この大雪の原因に関して、専門家は次々に発生する「線状降雪帯」によるものだと説明している。どういったことなのか。

大雪の状況

気象庁によると、1月5日午前7時の積雪は青森市で139センチ、弘前市で111センチなど、通常の3倍を超えている。市道など生活路を中心に除雪が間に合わず、交通渋滞が発生している。

大雪の原因

なぜ、これほどの大雪になっているのか。もともと青森市は雪が降りやすい地域として知られる。しかし市の北西に位置する津軽半島方面から吹く北西の風と、市中心部から見て南東部にある八甲田山系を循環(うかがい)した南西の風がぶつかり、上昇気流が発生することで大雪につながるという。加えて、海面水温の上昇が関係しているとも言われている。

線状降雪帯の影響

今回の大雪は、「線状降雪帯」の発達が関係しているという。気象学が専門の立花義裕・三重大学名誉教授によると、「線状降雪帯の発達の原因は主に二つあり、一つは地球温暖化、もう一つは地形の影響だ」と指摘している。

海面水温の上昇

一つは周辺の海面水温の上昇である。夏場の強い熱が海水から移動することにより、北極圏に近い地域でも極端な寒波が発生することがある。これにより吹き込んだ湿った空気が雪雲を作り、さらに局地的な大雪を引き起こす原因となる。

昨年と今年の比較

昨年の冬、雪が少なかった。スプリットからの寒気の流れが少なかったことが影響している。立花名誉教授は「昨年に比べて今年は気温が上昇しているところが見られ、そうした変化が大雪につながっている」と述べる。

今後の天候について

また、今後の天候についても注意が必要であり、2024年12月以降、極東ロシアの東南端から線状の雪雲が青森県に流れ込むことが予想されている。これにより大雪が続く恐れがある。

専門家の警鐘

立花教授は「雪雲の発達の原因は主に二つあり、いずれも地球温暖化が影響している」と強調し、今後も異常気象が続く可能性があると警鐘を鳴らす。