
気づいたら資産が1億円たまっていた “いつの間にか富裕層”が増殖中 強点は金融リテラシー(AERA DIGITAL)
2025-04-01
著者: 裕美
気づいたら富裕層になっていた――。そんな夢のような現象が続出していると、野村総合研究所(NRI)が発表した話題になっている。日本の資産状況は厳しく、NRIが2月に公表した調査によると、2023年時点で純金融資産(金融資産の合計から負債を引いた額)が1億円以上ある「富裕層」と「超富裕層」が165万人を超え、5年前の調査開始以来、最多となっている。これに伴い、国内の金融リテラシー向上が富裕層拡大の要因の一つとされている。
年齢で見てみると、富裕層の多くは40代後半から50代で、職業としては主に一般企業の社員が中心を占めている。年収は500万〜600万円で、純金融資産が5000万円以上1億円未満の比較的富裕な層も増加しているという。特に、153.5万人の超富裕層は、年収が8億円を超える層もおり、ここ数年で急増している。
このような富裕層の増加の背景には、安定した資産運用がある。NRIの調査によると、最近の株式市場の上昇と、資産運用に対する関心の高まりが影響しているという。特に2013年以降、資産運用への関心が高まったことが、資産構築のチャンスを生み出した。
また、令和4年度のNISA(少額投資非課税制度)制度見直しも影響しており、資産運用を始める若い世代が急増。これにより資産形成がさらに進んでいる。
現在の投資環境では、基本的に都会に住む人々が多く、富裕層の割合が高くなる傾向が見て取れる。これは、法的な知識や資源に乏しい地方部との明確な格差が生じていることを意味し、今後の資産運用の教育が急務とされている。
富裕層の増加に伴い、適切な金融教育を受けることが、これからの時代の知識となるだろう。特に「お金に関する真実を学ぶ」ことが、資産形成の鍵を握ると考えられている。