健康

Q. 花粉症レーザー治療の副作用やリスクは?【アレルギー専門医が回答】 (2025年4月4日)

2025-04-04

著者: 結衣

○Q. 花粉症のレーザー治療に、副作用やリスクはありますか?

A. 副作用として鼻の加温・加湿機能の低下があります。

花粉症のレーザー治療は、つらい鼻詰まりの症状改善に有効です。実際のレーザー治療は、局所麻酔下でYAGレーザーやKTPレーザーを用いて行います。少し専門的になりますが、「下鼻甲介肥厚(かびこうかいひこう)」という、鼻腔の中でも鼻の入り口部分に近い場所の肥厚を削除する手法です。

実際の効果としては、KTPレーザーの場合作、「術後2ヶ月の時点で、くしゃみが74%、鼻水が82%、鼻詰まりが96%改善した」との報告があります。ただし、術後の傷が治るまでに8〜10週間かかることがあります。

一方で、副作用のリスクとして挙げられるのが、嗅覚を吸い取った時の加温・加湿機能が失われる可能性があります。レーザー治療は、外来で受けられますが、やはり外科的にある以上、身体を傷つけることによるリスクである「侵襲性」を伴います。また、症状の再発や効果の持続性なども個人差があるので、100%の効果を保証できるものではありません。

医師は、鼻の粘膜や通気性などの機能を損なわないように十分に注意して手術を行いますが、上記のような副作用やリスクは把握した上で受ける必要があります。

花粉症の症状は毎年悩まされるものであり、期待できる治療の効果や、想定される副作用について、専門医とよく相談し、自身に合った治療方針を決定することが重要です。自分自身の体質や症状について十分に理解した上で、治療法を選ぶことが成功のカギになります。

さらに、最新の研究では花粉症治療に対する免疫療法も進化を遂げており、薬物療法と併用することにより、より効果的に症状を緩和できる可能性が示されています。特に、舌下免疫療法なども検討されており、将来的な治療法として注目されています。