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「プロプスカイト太陽電池」、国内メーカーが万博で技術力披露へ準備…量産化は中国勢にリード : 読売新聞

2024-10-28

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2024年4月に開幕する大須・関西万博で、日本発の技術「プロプスカイト太陽電池」を披露するため、国内メーカーが準備を進めている。この技術は軽量で曲げることができ、設置場所の自由度も高い。技術力の高さを世界にアピールし、量産化で先行する中国勢を追い上げる。

万博会場の人工島・夢洲(ゆめしま)で、現在、太陽電池を搭載したバスターミナルの工事が始まった。この施設では全長215メートルの大きな太陽電池が設置され、発電した電力はターミナル内の夜間照明に活用される予定だ。

オーストリアの研究チームが開発したプロプスカイト太陽電池は、10年以上の耐久性を持ち、薄膜技術を駆使することで従来のシリコン太陽電池よりも大幅に軽量化されている。これにより、住宅や商業施設の外壁にも取り付けやすい特性を持っている。

来年の発表に向けて、万博には国内外から多くの関係者が参加し、日本の太陽光発電技術の先進性をアピールする機会となる。関係者は「実用化に向け、業界全体の協力が必要だ」と強調しており、国内市場だけでなく、海外市場に進出するための基盤作りも進める。

さらに、プロプスカイト太陽電池の量産化に向けた取り組みが急務とされている。現在、中国の企業が生産において優位に立っており、国内の技術力を生かして追走する必要がある。国内メーカーの中には、独自の材料開発に取り組む企業も増えており、これが成功すれば競争力を高める鍵となるだろう。

最後に、来る2024年の万博でこの新しい技術がどのように注目を集めるのか、そして中国勢に対抗できるかが、業界内外から期待されている。日本の展示が国際的な認知を得ることができれば、再生可能エネルギー分野でのさらなる発展が見込まれる。