「片頭痛」に効果的な薬とは?市販薬の現状を検証
2024-11-13
著者: 裕美
気候の変化で誘発されることが多い片頭痛。長時間続く「ズキズキ」とした痛みが特徴で、頭の片方の痛みを引き起こすことがある。この症状を緩和するためには、さまざまな方法が考えられるが、特に注意すべきは、痛みの緩和だけでなく、症状の根本的な解決を目指すことだ。
15歳以上を対象にした日本全国の調査では、全体の有病率は8.4%。中でも、最も有病率が高いのは30〜40代の女性で、推定で2割以上が片頭痛を持つとされている。男性に比べて圧倒的に女性に多いという特性も見逃せない。
別の調査では、片頭痛持ちの8割以上が医師の診断を受けていない一方で、7割以上が「生活に支障がある」と感じていることが判明した。慢性の片頭痛は、場合によっては脳卒中のリスクを引き上げることが報告されており、早期の適切な治療が必要とされる。
片頭痛が起きるときには、まず「トリプタン系薬」などが投与されることが一般的だ。日本では5種類のトリプタン系薬があり、飲み薬、点鼻薬、注射薬などの形態で用意されている。2022年に承認された新しいトリプタン系薬では、治療効果と副作用のバランスが評価され、高い効果が期待されている。
一方で、ドンソマック等の市販薬に関する研究者たちは、1)アセトアミノフェン、2)トリプタン系薬、3)未承認の一般薬、4)非ステロイド性抗炎症薬、5)トリプタン系薬の5種類において、服用2時間後の痛みの状態が顕著に異なることを示している。特に、トリプタン系薬の効果は受けた後約2〜24時間後に延長効果が見られた。
その結果、服用2時間後の痛みの消失率は、エレトリプタン、リズトリプタン、スマトリプタン、ベルミトリプタンの順で良好であり、トリプタン系薬が最も効果的であることが分かった。
現在、国内でのトリプタン系薬を使うべきか否かの議論が続いている。適切な診断が重要なため、初回は医師の診断と処方が必須であるが、消炎剤と同じように薬局で入手できれば、片頭痛の人々にとっての選択肢が広がるだろう。
(取材・構成/医学ライター・水手ゆき)