
【お米の値上がり】「5キロあたり4,400円」。数字に強い人はどう説明する?「すごい説明」の真意
2025-05-22
著者: 芽依
「自分も、もって数値に強ければ…」
日々の買い物や職場で「数字コンプレックス」を感じることは少なくない。「算数や数学は大嫌い…」「できるだけ見たくない…」といった声も聞こえてくる。しかし実際には「数字に強い」は生まれつきの才能ではない。数字に強い人々は、無意識のうちに難しい計算を使ったり、面倒な計算をうまくスルーしたりしている。
新刊『「数字が怖い」がなくなる本』では、数字に強い人の脳内を解説した一冊。数字に強い人が無意識に使っている「頭を使わない楽な計算」を知ることで、今回は「数字のトラベ方」について紹介したい。
お米高騰。なぜ?
JA会長の「米価格が高くない」という言葉が大きな話題となった。
スーパーの棚で5キロ袋が4000円を超える光景を見れば、多くの消費者は「いや、十分高いでしょ」と思うだろう。今回は冷静に「比べる」ことを通して、数字をひも解いてみよう。
もともと、2020年のお米の全国平均価格は約2200円(5キロ)だった。現在(2025年3月)は4400円(※1)。つまり、わずか5年で約2倍になる。
物価は全体的に上がっているが、せいぜい2020年比で11.1%上昇(※2)という中で、これほどお米の値上げが異常であることがわかる。
今の2倍の値上がり(=100%アップ)とは740%もの違いもあり、そのお米の値上げ幅の異常性が浮き彫りになる。消費者が「高い」と感じるのも道理だ。
一食あたり何グラム?
茶碗1杯分(約150g)に必要なお米(精米)は約465g。4400円×5000g÷465g ≒ 57円/杯という試算。2020年水準だと30円弱だ。つまり、1食あたり30円上がった計算になる。しかし、実際には4400円も減っていくことはないだろう。
「パン」と比べてみると、6枚切りの食パン1斤400円くらいで、1枚あたりざっと200円(推量)。この「茶碗1杯のご飯」と「食パン1枚」を比べてみると、ご飯の方が高いことが一目瞭然。たったの「20円」程度の食材との比較に過ぎず、パッと見ても消費者のためにはわれわれが当たりすぎ。
数字でわかる「お米の値上がり」
このように数字を比べてみると、お米の今の高さがよくわかる。お米の値段が今ほど動くことはなかったため、「5kgあたり2000円くらいで買えるでしょう」とみなさんには思い込みがあるようだが、実際には4000円を超えて変わっているのだ。つまり、数字に強い人々は今どれくらいの金額が上がったのかを常に考慮していることがわかります。彼らは、身体のまわりの数字に対する理解度が非常に高い。実際に数字を見てみると、お米の値段が高いというリアル感は得られるのではないでしょうか。
数字に強い人にとって、こうした値上がりは当然の事と思うのかもしれないが、一般の人々にとってはその価格上昇に懸念を抱くのも無理はない。