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農林中央金庫の巨額損失で有識者調査会が初会合、米穀利上げ時対応に懸念も

2024-09-27

農林中央金庫が巨額の運用損失を計上しており、この問題を受けて、農林水産省の有識者調査会が27日に初会合を開き、市場運用体制などに関して調査を始めた。

農水省の担当者によると、午前10時から始まった会合の冒頭、同省は農林中央金庫の財務の健全性を確保しているとした上で、資産運用やガバナンス体制に関して調査や分析が必要と指摘した。農林中央金庫の担当者からは足元の経営状況や農業・食品分野への投資資金の取り組みについて説明があったという。

調査会の委員からは、米連邦準備制度理事会(FRB)など各国の中央銀行の利上げ時の対応や農業・食品分野への投資資金についての意見が出た。会合は約2時間にわたり行われた。

調査会の座長はグローカル政策研究所代表理事の山村浩司氏(元大和総研副理事長)が務め、委員には中野和夫氏(元日本証券業協会会長)や明治大学教授の松本浩司氏、農業の分野の専門家が加わった。農林中央金庫の副理事長も参加している。

次回会合の日程は未定だが、農水省は「今後に向けて農林中央金庫の資金運用をよく分析し、課題を明らかにしていきたい」と述べている。この会合は、農業の持続可能な発展を支えるためには、信頼性の高い金融機関が必要であるとの認識からスタートした。

在本哲士農水相はこの会合について、調査結果を通じて今後の資金運用の指針を見出し、「農業への支援が一層強化されることを期待する」と強調した。農林中央金庫が直面している問題は、農業や食品の分野だけではなく、広く経済全体に影響を及ぼす可能性があるため、注目が集まっている。日本農業の未来を切り開くための重要な第一歩となるかもしれない。