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年金20万で生活することは可能だろうか?

2024-09-17

月当たり20万円以上の年金を受け取っている人は、全体の約15%に過ぎないというデータがある。一方、年金受給者全体の約485%は、20万円以下の年金で生活していることになる。この現実を踏まえると、多くの人が比較的少ない年金額で生活していると言える。

また、年金受給者が68歳で、毎月20万円の年金を受け取っている場合、税金や社会保険料が控除された後の手取り金額はおよそ17万円になる。この17万円で果たして生活できるのか、現実的なシミュレーションを行ってみた。

1. 住居費

まず、生活費の中で大きな割合を占めるのが住居費だ。地域によっては家賃が低めな物件も多く、4万円の家賃で借りられる物件も存在する。しかしながら、この金額では都心部での生活は難しいだろう。加えて、住居に加え、光熱費(電気、ガス、水道、インターネット、電話代)も含めると、1万円台に抑えるのは至難の業で、住居関連費用は合計で5万円となる。

2. 食費

次に食費だが、1ヶ月あたり3万円が必要だと仮定すると、これで自炊を中心にしっかりと栄養を取る生活を維持できる。外食を控え、安全な食材を手に入れることが自給自足生活を成立させる鍵となる。しかし、現在の物価高を考えると食材費がさらに増えてきている。

3. 医療・保険

年齢を重ねるにつれて医療費がかかることも考慮しなければならない。地域によっては月4千円でも医療サービスを受けられるが、病気やけがが増える高齢期においては、その倍以上の金銭が必要になる可能性が高い。

4. 交通費

交通費については、公共交通機関や自転車、徒歩で移動することが可能な距離に住むことを前提として、月に5千円程度に抑えられることが理想。しかし、公共交通機関の利用が多い地域では、さらにコストがかかることもある。

5. 日用品・雑費

日用品や雑費として、1万円を見込むと、これは充分に厳しい予算感だ。生活必需品は増える傾向にあり、やりくりが必要だ。

6. 趣味・娯楽費

老後の楽しみとして趣味や娯楽費に5千円の予算があったとしても、これは旅行や外出を控え、限られた範囲で楽しむことになる。

7. 積立・貯金

急な支出に備えて、月1万円の積立が重要。しかし、これができない場合、支出が増えるとともに生活が困難になる可能性もある。

これら全てを合計すると、月の支出は約17万円となる。しかし、多くの高齢者が生活費を切り詰めることが必要で、この金額以上の年金を必要とする現実がある。特に住居費や医療費は高額となりやすく、予想外の支出に備えることが非常に重要である。加えて、老後2000万円問題もあり、様々な生活を支える基盤が必要だ。自己管理で計画的に生活することが求められている。