科学
NHKニュースが報じたAlphaFold3の商用利用禁止、その理由とは?
2024-12-25
著者: 蓮
東京・中央区にある医薬品の開発を手掛けるパルセウスが、12月25日にNHKニュースにて、同社のタンパク質解析が行われた際、GoogleのAIシステム「AlphaFold3」の画面が写ったことから「商用利用ではない」と指摘され、これに反発の声を表明した。
同社は、解析は「当社がX線を利用して実施したものであり、AlphaFold3によるものではない」と強調しており、商用利用における誤解を招いたことに対して懸念を示している。
また、最新の取材によると、「AI創薬の可能性を探求する」という主旨で行われたイベントにおいても、同社のX線解析結果とAIによる解析結果を比較する調査が行われた。この結果はAlphaFold3の制約事項に関連し、商用利用に対する依存を回避する意図があるとされている。
AlphaFold3は、米Google傘下のGoogle DeepMindとAI創薬企業Isomorphic Labsが共同開発したタンパク質構造を予測するAIシステムで、21年に登場した前作「AlphaFold2」はその精度においても注目を集め、研究分野で広く利用されていた。
しかし、今回のAlphaFold3は商用利用を禁じているため、12月22日に放送されたNHKニュースにおいて、ネット上では「無断使用ではないか」との疑問の声が上がっている。パルセウスは「今後は誤解を招かないよう、取得の際により確かな説明に努める」と述べている。
この問題を受けて、業界内ではAIによる創薬支援の未来や、その倫理的な側面についての議論が活発化している。AI技術の進展に伴い、商用利用のルールが変わる可能性もあるため、今後の動向に注目が集まっている。