カリフォルニア州で、野生のリスがネズミを捕食する行動が初めて確認されました。このリスは肉食性も指摘されており、特に生息する地域の生態系における影響が懸念されています。

研究結果は、カリフォルニア州コントラス地域に生息する野生のリスの行動を観察したもので、18日の学術誌に発表されました。この研究では、リスが環境の変化にどのように対応しているかを調査することが目的でした。

カリフォルニア北部では、ネズミの数が増え続けており、過去10年の間に急増していることが報告されています。同地域のリスは主に植物や種子を食べていましたが、今回の観察ではリスがネズミを捕食する様子が初めて確認され、食物連鎖の変化が注目されています。

研究を行ったカリフォルニア大学デイビス校の生物学者ソニャ・ワイルド氏は、「私たちの研究は、リスの捕食行動が食物網に与える影響を示す重要な例です。環境の変化が、これらの動物の行動に影響を与える可能性があることがわかりました」と述べています。

リスの捕食対象になったネズミは、特に人間の活動が影響を及ぼす場所で多く見られます。このため、リスの肉食性が進むことで、地域の生態系に新たな影響を及ぼす可能性があります。

ワイルド氏は、リスが肉食にシフトする理由として、食物資源の競争や気候変動による影響を挙げており、「この動物がその生態系の中で果たす役割は、今後ますます注目されるでしょう」と強調しました。

今回の研究は、リスの生態についての理解を深めるとともに、気候変動や生態系の変化が動物行動に与える影響に関する新たな洞察を提供します。リスが捕食者としての役割を果たすことで、他の動物との関係も変わっていく可能性があり、さらなる研究が求められています。興味深いことに、専門家たちは、リスの肉食行動がますます一般的になる可能性があると考えています。