
NASA史上初の「月面電波望遠鏡」、月の南極地域から銀河電波を探出
2025-04-05
著者: 蒼太
観測史上初めて、月面の超低周波電波望遠鏡が、天文データを地球に送り届けることに成功した。この探索計画は完全に計画通りにはいかなかったものの、地上にいる科学者はこのデータを用いて、太陽系が含まれる天の川(銀河系)の低周波電波の発見を確認することができた。ミシガン大学が主導したチームによる今回の研究結果をまとめた論文は、天文学雑誌The Astrophysical Journalに掲載される。論文の共同執筆者で、ミシガン大学の助教授(天体物理学)のジャスティン・バートは、受信した電波が月からの電波天文学を実施でき、科学的な可能性も高いことを今回の研究で証明したと述べている。
この研究チームは、NASAが資金を提供した観測機器「ROLSES-1(月表面帯光電子帯電波望遠鏡)」を利用した。ROLSES-1は、2024年に月面着陸に成功したミッションの一部として打ち上げられ、月に送り込まれた。オデュッセウスは月の南極から約410度の位置にある「マラパートA」クレーターの近くに着陸したが、着陸時にトラブルが発生した。それでも、月面から少量のデータを収集できた結果、銀河電波スペクトルの適度な検出が認められたと、論文の筆頭執筆者で、ミシガン大学の学生であるマックス・カレッジは説明する。彼は、月面から収集されたデータにより、銀河系からの電波放射を探出することができた。
研究チームの目標は、月の南極地域を利用して、宇宙論における新たな観測方法を開発することだ。月面は、地球の大気の影響を受けず、低周波数の信号を探求する際に優れた場所であると考えられている。そのため、ROLSES-1の成功した観測結果は、月面での電波天文学の新たな扉を開くことになる。この実験の結果は、月面が科学的な前線として機能しうることを示しており、今後の宇宙探査や電波観測の進展が期待される。
オデュッセウスが到達した月の環境は、非常に厳しいものだが、研究人员は未来の月面探査に向けて、さらなる希望を抱いている。月面電波望遠鏡は、宇宙の神秘を探る強力なツールとなることが期待されており、今後の研究がますます重要であると強調した。