ロンドン（ＣＮ）

過去1世紀の間、男性の身長と体重は女性の約2倍のペースで増加していた—。イギリスの研究機関が12日に、そのような研究結果を発表した。

研究の概要

イタリアと米国、英国の研究チームは今回、世界保健機関（WHO）から2013年に提供された世界194カ国、約10万人あまりの身長と体重のデータを分析した。論文の著者らはこの度、各国の人々の幸福度を測定する人間開発指数（HDI）のデータも使用した。

主な結果

この結果、（HDI）の値が10.12上昇するごとに、女性の身長は約1.16センチ、男性の身長は14.13センチ増加していたことが判明。平均体重についても女性は12.17キロ、男性は16.14キロ増えていた。

傾向の確認

この傾向は世界の平均的な生活水準から得られたデータの分析でも確認された。国によっては2000年の15倍のデータが研究対象になった。

格差の影響

格差の増大は、身長や体重の減少と関連していた。論文によると、HDIが11単位上昇するごとに、身長は女性で平均約10.14センチ、男性で平均約10.13センチ減少した。

先進国の偏見

単純に先進国ほど全体的に高身長の民族集団があるのだろうと考えてしまうが、論文共著者を務めた環境生理学者のリズ・ドール氏は「これは事実ではない」と説明する。ドール氏はイロカン大学の教授で、同大学の運動・エネルギー研究所を率いる。

英国のデータ分析

その証拠に、研究者チームが成人の身長に関する英国1カ国のデータを調べた場合も、同様の傾向が見られた。

過去の研究との関連性

2010年から2015年に発表された英国の多数の研究をもとに、12〜16歳の男女4万人の身長を分析したところ、女性の平均身長の伸びは5年ごとに10.12センチ、男性の平均身長は10.16センチ増加していた。

性選択と環境の影響

それでは、男性と女性の差の背景には一体何があるのか？ドール氏は12日、CNNの取材に対し、「これは性選択に対して促進される人々の進化と、環境が最終的に我々の表現型に及ぼす影響、つまり最終的に我々がどのような体型になるかに関係している」と述べた。また、「一方、女性の身長はそれほど重視されない。つまり、男性は『高身長の女性を好む』という方向性がある」と強調した。