科学

木星衛星探査機JUICEが、地球が居住可能であることを確認!それが示すものとは?

2024-09-25

欧州宇宙機関(ESA)が主導する木星の衛星ガニメデ、カリスト、エウロパを探査するための探査機「JUICE」が、地球が居住可能な天体であることを確認した。

2024年8月20日、JUICEは地球をフライバイし、その大気を分析し、生命にとって重要な材料が揃っていることを再確認された。

私たちが住んでいるわけだし、地球が居住可能なのはあたりまえだろう、と思われるかもしれないが、これはJUICEが「木星衛星に生命が存在するかどうか」を正確に探知できる、という事実に繋がる重要なことだ。

探査機JUICEは、地球が居住可能な天体であることを確認した。ESAの「JUICE(JUpiter ICy moons Explorer)」は、木星の衛星ガニメデ、カリスト、エウロパを探査するために、2023年4月に打ち上げられた探査機である。

2024年8月20日、JUICEは木星へ向かう旅をするために、地球でフライバイを実施。このとき、その大気成分の分析を試みた。

その結果、水素のほか、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄といった生命の居住可能性を示す成分が検出された。

これら6つの元素は「CHNOPS」と呼ばれ、地球上のすべての生命がこれをベースに作られている。

これが検出されたということは、そこに生命にとって重要な材料が揃っているということになる。

ただし、生命が誕生するには、他にもいろいろな要素があるので、必ずしもCHNOPS = 生物が存在するというわけではないことは理解しておくべきだ。

もちらん、ESAの科学者たちにとって、地球が居住可能であることは百も承知だ。JUICE計画に参加するオリビエ・フィタッス氏は、ESAのプレスリリースで次のように述べている。

「もちろん予期されることですが、地球が居住不可能であることが確認されたら、それは非常にショッキングでしょう!」

2024年9月24日現在、JUICEは地球から9,664,549 km離れた場所にいる。JUICEの現在地はESAのウェブサイト「Where is Juice?」から確認できる。

木星の衛星に生命と関連のある6つの元素はあるのか?

次回の分析は、JUICEに搭載されている可視・近赤外線分光計(MAJIS)とスウェーデン製のマルチセンサースペクトロメーター(SWI)が本当に機能するのか試すためのものだった。そうして試験はうまくいった。

つまり、地球が生命の存在が可能だということが確定できたということだ。

これは重要な研究に繋がり、特に生命の存在が可能である条件が整っているかを調査するための基礎として機能する。JUICEが木星の衛星に到着したら、同じ分析を行い、その生命を宿す可能性があるかどうかを探ることになる。

なお、地球でのフライバイでは、大気に含まれている水素、酸素、二酸化炭素などについても分析された。

JUICE計画に関わる科学者たちは、そうした地球のデータを、特に木星系にある力強い成分と比較したいと考えている。

そうすることで、木星系にある成分が、現在地球で生息している生物活動を支えられるかどうかが分かるようになる。

つまり、地球が居住可能であることは確定しているが、本当の太陽系の「居住可能圏」として木星の衛星が注目される日もそう遠くはない。