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木星の巨大な衛星「大赤斑」。短い周期で大きさや形が変動している

2024-11-02

著者: 芽依

ハッブル宇宙望遠鏡からの観測プログラムによると、木星の巨大な衛星「大赤斑」の大きさや形が短期間のうちに変動していることが分かりました。

2023年12月から2024年3月にかけて、天文学者たちはハッブル宇宙望遠鏡を使って木星の大赤斑を観測し、この巨大な斑点が90日間周期でサイズが変わっていると感じました。この思いがけない形の変化がなぜ起きているのかは不明ですが、有名な大赤斑は見た目以上に不安定でした。

ハッブル宇宙望遠鏡による観測の成果は、The Planetary Science Journalに掲載された論文の中で詳しく説明されています。

今回の研究に関わった天文学者のチームはハッブル宇宙望遠鏡の観測結果を用い、巨大さ、形、明るさ、色、淡さなど1回の転動周期にわたる測りをしました。その結果、大赤斑はサイズが変動することが確認され、90日間周期の最も大きいときに中心部が明るくなることが分かりました。

上の画像はタイムラプスのように大赤斑の進化の変化を示したものです。

「適切な密度で大赤斑を撮影したのは、今回が初めてです。ハッブルの高解像度から、大赤斑が速く動いたり遅く動いたりしながら拡大したり縮小したりする」と、メリーランド州のNASAグドード宇宙飛行センターの研究員、Amy Simon氏はリリースの中で述べています。

「動きが頻度によってわずかに変わると言っても、大きさも変動すると思ってはいけません。私たちの知る限り、これまでに確認されていないことです」

現在、木星は太陽系で最も大きな惑星で、地球の約1,300倍の大きさを持っています。さらには、木星には79個の衛星が存在し、その中でも「大赤斑」は特に注目される特徴的な現象です。この巨大な渦巻のような斑点は、1664年に発見されたものですが、近年の研究では今もなお神秘的な動きを見せています。

最新の観測によれば、大赤斑は日ごとに変化があり、一定の速度で増速したり減速したりしながら、北と南にある激しいジェット気流を巻き込んでいます。これらの動きは、木星の周囲の環境に深く根ざした問題を解決する手がかりになることが期待されています。これからの観測が一層楽しみであり、宇宙の奥深い謎を解き明かす手助けになるでしょう。