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モルガン・スタンレーも撤退表明 - 銀行業界の気候変動対策グループ

2025-01-02

著者: 健二

米モルガン・スタンレーは、気候変動対策を目指す国際的な銀行グループからの撤退を明らかにした。ウエルズ・ファーゴなど、同グループから離脱する金融機関が相次いでいる。

モルガン・スタンレーは12日の電子メールで、銀行業界の主要な気候変動対策グループ「ネットゼロ・バンキング・アライアンス(NZBA)」から撤退することを発表。今週に入り、シティグループとバンク・オブ・アメリカ(BOA)からの撤退も表明されている。

ウエルズ・ファーゴ金融機関の気候変動対策を巡る圧力が強まっている。このような状況下、董事会は気候変動への取り組みを「ウエルズ・ファーゴ(社会正義に対する意識が高いこと)」キャピタリズムだとして、調査を開始したり、指針を打ち出すといった動きが出ている。11月には、米テキサス州を中心とする複数州がブラックロック、バンガード・グループ、ステート・ストリートを提訴。投資を通じて電力資金を押し上げ、反トラス法(独占禁止法)に違反したと主張している。

最近では、ゴールドマン・サックス・グループやユーレンス・ファイナンシャル・ソリューションズからの撤退も表明されている。これにより、金融機関の気候変動へのスタンスがますます厳しくなる可能性が高まっている。特に、政治的な動きが影響を与えているとみられ、今後の投資方針に大きな変化がもたらされるかもしれない。

この撤退の背景には、気候変動に対する取り組みに対する市場の反応と、それに対する規制当局の監視の強化がある。今後、金融業界全体がこの問題にどのように向き合っていくのかが注目される。