MITテクノロジーレビュー:新型コロナが5年、鳥インフルで教訓生かせるか
2025-01-20
著者: 芽依
この記記事は、アメリカ版ニュースレターを一部再編集したものです。
著名な「鳥インフル」を引き起こすウイルスについて、初めて耳にしたのは5年前という驚くべき記念日を迎えました。その後、このウイルスについて「新型コロナウイルス感病(COVID-19)」という病気が発症することが分かりました。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は世界中に感染が広がり、それに伴い700万人以上の死者を出したとの報告もあります。その数は現在も増え続けています。
新型コロナウイルスについて、私(記者)が初めて取り上げたのは、2020年1月7日付けのニュース・サイエンティスト誌に掲載された「Doctors scramble to identify mysterious illness emerging in China(中国で発生している謎の病気を特定するために医師たちが奮闘)」という記事であった。この時期に寄せられた多くの情報の中で、私はウイルスや感染症、疫学分野のさまざまな専門家に話を聞いた。新型コロナウイルスやその感染経路、パンデミックに関する私の質問に対する彼らの答えは一様に「分からない」というものであった。
私たちは現在、一般に「鳥インフルエンザ」として知られている「H5N1ウイルス」で、同じような「分からない」状態に直面しています。H5N1ウイルスについては、過去どのような状況であったかを考えてみると、近年、鳥の個体数が激減したことが起因していると言えます。現在、H5N1の変異株がアメリカの牛の間で急速に広がっていることが懸念されています。このH5N1ウイルスが動物に深刻な感染症を引き起こす可能性があり、その動物と濃厚接触する人が感染する可能性もあると考えられています。1月6日にリッチアナ州で65歳の男性がH5N1ウイルスに感染し死亡したという報告もあります。この米国での初めての人の死亡事例について、H5N1ウイルスが人に感染する可能性があることが分かります。
科学者たちは、鳥インフルエンザウイルスのパンデミックに対する可能性を危惧しています。このウイルスに関しては分からないことが多い中、私たちは今何をすべきなのか、ということが問われています。排除ワクチンは私たちを守ることができるのか?何より、これまで完全には終息していない新型コロナウイルスのパンデミックの影響から、私たちがどのように教訓を得られるのかが重要です。H5N1ウイルスの今後の進展は予測できないということです。
1997年にH5N1ウイルスの変異に感染した患者が見つかり、香港で小規模ながらも死亡者を出すアウトブレイクが発生しました。香港では、6人が亡くなるなど18人の患者が感染者として確認されました。それ以降、世界中で散発的に感染者が出ているが、大規模なアウトブレイクは起きていません。
H5N1については以前よりも比較的幸福なところであったが、今や身近になりつつあるウイルスだとはいえ、どれだけそのリスクについて考えておくべきなのか、非常に難しい状況です。