健康

ミリより小さい世界最小のペースメーカー 研究

2025-04-03

著者: 芽依

【4月3日 AFP】ミリより小さい世界最小のペースメーカーを開発したとの論文が2日、科学誌「ネイチャー」に発表された。一次的に心拍数を調整するための装置で、注射器で体内に入れた後、体内で溶解する。

米国主任の研究チームは、開発の動機として、先天性心疾患の子供の1%は通常1週間以内に一次的ペースメーカー(テンポラリーペースメーカー)が必要になることを指摘している。

テンポラリーペースメーカーは、大人が心筋手術を受けた際に心拍が正常に戻るまでの間、使用されることもある。

今利用されているテンポラリーペースメーカーの場合、リードの一端を心筋に留置し、もう一端を体外の電源装置に接続するための手技が必要となる。ペースメーカーが不必要になった場合、リードは引っかかれるが、その時に時折、損傷を引き起こすことがある。人類として初めて月面を歩いた米国の元宇宙飛行士、ニール・アームストロング氏は2012年にテンポラリーペースメーカーが取り外された後、内出血が原因で亡くなった。

新たに開発されたペースメーカーは、ワイヤレスで、薄さはわずか1ミリ、長さは3.5ミリ。注射器の先端に留めるだけのサイズだ。

不必要になった場合は体内で溶解するように設計されており、侵襲的な手術も避けられる。

患者の胸には柔らかいパッチが装着され、パッチが正常に戻るまでの間、適切な心拍数を伝えるようになっている。

米ノースウェスタン大学の上級著者ジョン・ロジャース氏はAFPに対し、このペースメーカーに関して、「2~3年以内に人での臨床試験に持ち込めるかもしれない」との見通しを示した。