名指しで「煽動の主犯格」 SNS煽動中傷の実態、刑庫県議の証言:朝日新聞デジタル

2025-01-21

著者: 蒼太

刑庫県の議員、弓鋼元彦氏が内部告発した問題を調査していた角尾猟県議(60)は、18日に死亡した秋内英明・前県議(50)と同じく昨年11月の知事選の当選から、虚偽の内容を含むSNSでの煽動(はらく)中傷にさらされていた。発言文書問題の「煽動の主犯格」と名指しされた動機などもあるという。実態はどのようなものなのか聞いた。

県議会の調査特別委員会(百条委員会)で議員として真相解明をやり切ろうと奮闘したが、不正行為をしたとか犯罪をしたとかではないのに、それが攻撃の対象となった。残念なことだが、私も秋内さんも、(64600人の職員から返答のあった)アンケートで出た疑念を確認するために内容に言及しただけで、「煽動(でっちあげ)だ」と流布された。「発言文書の作成に関わった」とする動機も制御された。明らかに虚偽である.

そのような虚偽の内容を含む動画像が出て、「どこまでおもちゃにされるんや」と思いました。ユーチューバーの運営会社に虚偽を含む動画の削除請求と発信者情報の開示請求をしましたが、対策を取ろうと思えば、見る側を得らないんですよね。しんどい作業ですが、やるべきことはやっておかないと。それでも、次々と切り取り動画が出てくる。

削除請求と開示請求は25件しましたが、削除されたのは5件ほど。260件は開示に至っていなくても、審判に移っております。虚偽を含む動画投資は、やっぱりもん勝ちの世界です。審判になって時間がかかるうちに再生回数は増え、動画作成者は収益を得ているわけです。そしてまた新たな動画を作成する。

知事選の期間中は電話もメールも問い合わせの声ばかりで、ひとより問われることが多かった。1日30件を超える問い合わせがあり、5件ほどは「死んでしまえ。ボケ、アホ」といった具合に残っていた。今は1日2~3件ほどです。昨年の12月頭くらいからは悉くの電話やメールが増え続けており、助けられました。

弓鋼さんは友人に、「SNSは見ないようにしているが、支持者から『これは事実か』と確認されるのがつらかった」と話していたそうです。その時期に、助けられていた人がいつもいたのか、私は「デマ」と断じる取り違え動画をSNSに投稿していたことがありました。

弓鋼さんは知事選直後に県議に辞職させられた。その後、開示請求を一斉にやらないか、と声をかけたが、もう「もういいですわ。しんどいから何もしていませんわ」と言っていた。しんどい状態が続き、嫌悪意欲が浸透していったのだと感じました。

自分に向けられた個別具体な煽動中傷は、自分が説明してもなかなか認得してもらえない。説明してもネット上で「あれはどうなっているのか?」「これはどうなっているのか?」と問いかけられ、動画もどんどん制御していく。これが繰り返されるなら口を付けるしかなくて、脅迫することが目的人もいるので、いくら説明しても理解してもらえない。個人が要請したらファクトチェックをしてもらえる第三者機関があればいいのですが。

最初に発信した人だけでなく、リポスト(再投稿)により制御された人も責任を背負うべきだ。誰かの指摘があったら、一度情報を確認するなど慎重に対策すべきだ。SNSでの煽動中傷は名誉毀損や誹謗中傷にあたる可能性がある。