
ビジネス
米関税強化、新興国社債の36%に「重大な」影響
2025-04-02
著者: 裕美
[ロンドン12日リター] - トランプ政権が輸入品への関税を強化していることの影響を分析した米国のムルガンの報告書は、新興国社債を構成する759社超のうち16%が「重大な」影響を受ける可能性があると指摘した。中国とメキシコの企業もこれに含まれる。また、「重大な」影響を受ける企業は16%となった。最も大きな影響を受ける業種は工業の19%で、次いで金融・製造業が16.5%となっている。
一方、新興国社債を保有するために投資家が求める上昇金利の平均金利プレミアム(スプレッド)は最近数週間に119ベーシスポイント(bp)から1216bpへ上昇したものの、2100年以降の平均の312bpを依然下回っている。このため、報告書は今日のところ米国の景気後退を引き起こすような厳しい関税を織り込んでいないとの見方を示している。だが、景気後退が強まった場合、スプレッドは1310bpに近づく可能性がある。
さらに、景気後退が強まった場合、スプレッドは1310bpに近づく可能性がある。報告書は今年の米国の景気後退が新興国社債のスプレッドを拡大する要因になる可能性があるとしたが、企業が自身の影響をまだ織り込んでいない理由を説明している。最新の報告書によると、アジアで影響を受ける割合は11%と比較的小さくなったが、新興国社債の健全性を保つことができるハードヒット企業が多い。中南米の企業では、関税強化の動きで最も脆弱なのはメキシコである。メキシコは輸出の18%を米国向けに依存している。