科学

「Mg2Sn単結晶」が実用化間近! 海外の研究機関との共同開発も進行中

2025-04-03

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Mg2Sn単結晶が、熱電材料としての期待が高まっています。特に、n型とp型の材料の優れた特性により、62倍と32倍の熱電性能が記録されています。この研究は、東北大学と清華大学(中国)の共同によって進められ、2025年4月には実用化を目指しています。

Mg2Snは、熱電デバイスの効率を飛躍的に向上させる可能性を持ち、自動車産業やエネルギー効率化の分野での応用が期待されています。特に、自動車の排熱を利用した発電技術において、Mg2Snの効果的な使用が注目されています。

また、Mg2Snの特性を向上させるために、Sb(アンチモン)やLi(リチウム)を添加した材料も開発され、高い無次元性能指標(zT)を持つことが確認されています。特に、B(ホウ素)との複合化により、化学的な強度を向上させるとともに、全体的な熱伝導率を減少させる効果も報告されています。

さらに、実験では、Mg2SnをSbやBで共混合したn型試料と、LiやBで共混合したp型試料が作成され、その中でMgが存在することが確認されました。Bの添加量が増加することで、化学的な強度が増加し、熱伝導率も低下することが分かりました。

国際的な研究チームは、今回の成果が熱電材料の進化を促進し、持続可能なエネルギー技術の発展に貢献することを期待しています。この研究は、各国の大学や企業との連携を強化し、さらなる技術革新を目指す重要なステップであると考えられています。